2008年11月7日金曜日

アメリカは人種差別の国か

 オバマ氏が大統領になったことが,日本でも大きなニュースになってあちこちで書かれていたけど,その中でもとくに目立ったのが 『人種差別の国アメリカ』 という認識だ。 私などは,何バカ言ってるんだろう,と思ってしまう。 日本なら人種差別なんてしない,とでも思っているのだろうか。 

 人種がごった混ぜになれば,人種的偏見が生まれない方がおかしいと思う。 それでもアメリカは 『人種的偏見をもつことが間違いである』 という 理念をずうっと前から提唱しているし,世界中から移民を受け入れ,長いこと人種問題というものに対して真正面から向き合っている。 それでようやくここま でたどりついたという感じなんだと思う。 人種問題という点に関していえば,アメリカほど世界の先端を行っている国は他に無いと思うし,今回の選挙でもま さにそのことが証明されたようなものだろう。

 日本という国では,アジア人同士であるばかりでなく,同じ日本人同士でもいまだに差別が根強く残っているという。 性的偏見に関しても日本のテレ ビをつければ愕然としてしまうほどに根強いし,まだそれが差別や偏見だということにすら気づいていない人が大多数いるというのが現状だと思う。 そんな国 にもし世界中からいろんな人種が流入したら,一体どうなるだろう。 もし外国人がこぞってやってきて,軟弱で学力の低下した日本の若者からどんどん仕事を 奪っていき,街のあちこちを異人種の人々が我が物顔で闊歩し,よくわからない言葉を話しながら日本人の扁平な顔や出っ歯や短い足を指差してクスクスと笑っ たりし始めたりしたら一体どうなるか。 日本の社会は,そういうものを飲み込んで消化できる程に成熟しているだろうか。 私はまだまだだと思う。 日本 は,まだそういう問題に直面したことすらない。

 日本人が人種差別をしないのでなく,日本社会自体がまだ人種問題に関して未熟以前の段階であり,人種について考えるレベルにすら達していないだけ だと思う。 人種的偏見というのが一体どういうものなのか実感としてわかっている人なんて,日本にどれほどいるというのだろう。 せいぜい自分が海外旅行 先で意地悪されたことがある,とかいう程度じゃなかろうか。 アメリカのことを 『人種差別の国』 などと決め付けること自体,すでに偏見に他ならないし,何にもわかっちゃいない。 おこがましいにも程があるし,まったく笑止千万だと思う。

 

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 「オバマ氏は日焼けしていてカッコいい」…首相発言で政界炎上
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081107-00000038-rps-soci

 


2008年11月5日水曜日

小浜町の映像

 アメリカ大統領選挙のニュースの中に,日本の小浜町の映像があった。
 
こういう映像をみるに,日本ってユニークな国だなあ,とつくづく思う。

 Obama Town, Japan reacts

 
Obama town in Japan ecstatic for namesake


 小浜 (O-ba-MA) とオバマ (o-BA-ma) とでは,イントネーションが違うことに気づいた。

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 <米大統領選>オバマ氏演説「私たちはできる」
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081105-00000122-mai-int
 

マケイン大統領候補の最後のスピーチ

 アメリカに対する愛情の塊のような,素晴らしいスピーチだった。
 国家の方向における二つの選択肢をオバマ氏とともに掲げ,国民に選択を問うた意義と功績は大きいと思う。

 McCain's Farewell Speech 11/04/2008

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 米大統領にオバマ氏、黒人で初…民主8年ぶりに政権奪回
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081105-00000028-yom-int
 オバマ氏勝利とブッシュ政権終焉を歓迎 各国メディア
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081105-00000041-cnn-int

 

楽しい開票速報

 ペンシルバニアやニューヨークなどの主要州を制したオバマ氏が,獲得投票人数で大きくリードを広げている。
 だけど投票数だけをみた場合,まさにデッドヒートだ。

 Political Dashboard

 マラソンとか箱根駅伝を見ているようで,面白い。 オバマ氏の得票%が増減するたびに,一喜一憂している。
 国のリーダーを決めるのにこれだけの盛り上がりを見せるとは,やはりアメリカは生命力が旺盛な国だ。

 

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 <米大統領選>オバマ氏11州・特別区、マケイン氏5州制す
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081105-00000027-mai-int

軽油をつくる菌類

 パタゴニアの熱帯雨林で,軽油とよく似た化合物を作り出す菌類がみつかったのだそうだ。

 Scientists discover Patagonian diesel that grows on trees

 木の中で生育するこの菌 (Gliocladium roseum) は,セルロースを分解して起爆性をもつ炭化水素化合物を生成するらしい。 可燃性の有機物を合成する微生物は他にも沢山いるらしいのだけど,燃料として実用化できそうなのはなかなか無いのだそうだ。
 近い将来,紙くずや古材木から燃料が作られる日がくるのかもしれない。

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大統領選・投票日

 さていよいよ待ちに待った選挙日だ。
 公立の学校が投票会場になるため,うちの坊は学校が休みだ。 

 【米大統領選】投票始まる 日本時間5日昼にも大勢判明
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081104-00000578-san-int

 この選挙ほど,世界情勢に大きく影響を与えるものはないと思う。
 ヨーロッパ諸国はオバマ氏を歓迎するらしい。 それはそうだろう。 オバマ氏の方が話し合いにも応じてくれそうだし,なんとも与しやすげな感じがしないでもない。 一方,日本ではオバマ氏が勝った場合,マケイン政権を想定して作られた麻生自民政権とは全くかみ合わなくなるだろうから,国会は即解散,総選挙になるだろう。 早ければ今年中にに民主党に政権を譲ることになる。 日本はアメリカから距離を置くようになり,しだいに中国寄りになってゆくのだろう。

 一方,マケイン氏が大統領になった場合,そうはいかないだろう。 マケイン氏は戦争が上手いし,話し合いで妥協に応ずるような人物ではない。 彼 ほど諸外国に睨みの効く凄みのある人物は他に見当たらない。 マケイン政権になった場合,日米の軍事的な結束は継続され,これまでどおり自民党政権が続く ことになると思う。 解散はしないかもしれない。

 現時点までずっとオバマ氏リードと報じられていたが,もしマケイン氏の方が優勢だった場合,田母神氏の論文に対する国の対応も全く違ったものになっていたんじゃなかろうか,などとも思ったりする。 

 昨日はオバマ氏の祖母が亡くなられたという悲報があった。 数年前に母親も癌で亡くしている。 両者とも,今のオバマ氏を育てあげ,支えた人たちだ。 オバマ氏にしてみれば,立派にアメリカ合衆国大統領になった姿を,二人に一番見せたかったのではなかろうか。  

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田母神氏の見解に賛同します

 前の記事に て,戦後の日本が歴史の解釈などという実にあやふやなものを絶対的な真実であるかのように掲げていて,その点に疑問をもつ人が現れても 『責任』 だとか  『混乱』 だとかいう全く議論にならない事をブーブー言って,まるで臭いものにフタでもするように封じ込めてしまう日本の政治やマスコミの体質について 民主国家としてあるまじきことだ,と書いた。

 これと全く同様なことを,田母神氏は記者会見で言っていた。

 『これくらいのことを言えないようでは,自由民主主義の国ではない』

 『政府見解に一言も反論できないとなると,北朝鮮と一緒ですね』

 まったく同感だ。

 この読売の記事には, 『防衛省・自衛隊を混乱させたことに対する謝罪や反省の弁はなかった』 とあるが,田母神氏にしてみれば,こういう先入観のカタマリのような見解しか示せず,議論すら出来ず,ただただタブーに触れたことに対してヒステリックに反応して文字通り “混乱” するマスコミや政治家が馬鹿に思えてしょうがないのではなかろうか。

 一石を投じただけで定年退職とは,なんだか残念な気がする。
 論文の内容はともかく田母神氏のこういう姿勢に賛同する人はかなり大勢いると思うし,できればもっと若い人々がもっとこういう発言をして,大昔の土俗信仰のような日本の政治のあり方に対して徹底的に抗弁すべきだと思う。

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 田母神前空幕長が記者会見、スーツ姿で謝罪・反省の弁なし
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081103-00000033-yom-soci

  「北朝鮮と同じ」「村山談話に疑問」田母神前空幕長が記者会見で
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081103-00000563-san-pol

辰吉氏の新しい生きがいは?

 子供から一番のお気に入りの玩具を取り上げるようで,ちょっと辰吉氏が可愛そうだけど,JBCのとった決断は正しいものだと思う。 辰吉氏も眼に 爆弾を抱えているし,全盛期にもずいぶんパンチをもらった方だ。 ちょっとロレツが回っていないあたりをみると,パンチドランカー症状も深刻なのではなか ろうか。

 辰吉 タイでの試合不可能なら引退も
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081103-00000082-sph-spo

 ただ,辰吉氏にとってはボクシングだけが唯一の生きがいなのだろうし,やるからには生涯現役でいたいのだと思う。
 でも,ひとつの競技に没頭した人というのはべつに辰吉氏に限らず他にいくらでもいる。 そういう一流選手なら誰もが直面する折り返し点に,辰吉氏も到達してしまったということなのではなかろうか。
 新しい生きがいをみつけなくてはならない時期が来たんではないかと思う。 たとえば息子の寿希也氏の育成に専念するとか。 チャベス氏みたいに。
 自分が見出した宝物を後続に伝えるというのは,宝物を掘り出すこと以上にやりがいのある作業だと思う。

 

 他の時事ニュース  

ムラ国家・日本

 この国では,偉くなると,ひとつの型にはまった考え,あるいはみんなで申し合わせたような意見しか表明できないものらしい。 田母神氏の論文云々などよりも,そっちの方がよっぽど奇形だと思う。
  歴史に関して正しい認識,正しくない認識,などと決めつけることすら,アメリカとかが掲げる 『正義』 と同様に笑止千万極まり無く感じる。 まして,異 論を唱える人に対して誰も正面から面と向かって議論しようともせず,ひきつったような顔をして変なふうに周囲から圧迫して封じ込めてしまう点など,民主国 家としてあるまじきことだと思う。

 敗戦まで天皇という超越した存在を掲げていたのを,戦後の日本は単に 『戦争責任』 という言葉にすり替えただけなんじゃなかろう か,と思ってしまう。 そして,それをGHQの所為にしたがる人が多いけど,私はそれは違うと思う。 日本人が自分でそうしてるんだと思う。 何かよくわ からないあやふやな存在ないし言葉を絶対的なものに掲げ,そのことについて議論することすらタブーみたいなものにしたがるという性質は,日本人の特質なん じゃないだろうかと思ったりする。 そして,そういう社会の性格は,山岳信仰や巨石信仰をしていた時代と本質的にあまり違わないんじゃなかという気がす る。

 <航空幕僚長>民主、攻勢強める 給油延長法案成立不透明に
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081101-00000074-mai-pol

 それにしても,いつから日本はこんなに中国や韓国の機嫌をとりたがるようになったんだろう。
 日本の政府は,外見的には中国や韓国の逆鱗 に触れまい,触れまいと,ビクビクしているふうに振舞いながらも,心の中では両国を明らかに見下しているようなところがある。 こういう表裏のある政府を 一個人に例えたとしたら,すごく嫌な奴だ。 外国人が日本を見たとき,日本国民よりも日本政府の方に当然目が向くだろう。 例えば中国人や韓国人が反日感 情を抱くのは,べつに反日教育をしているからというだけでなく,むしろ日本政府の腹黒さに対するごく自然な嫌悪感の方がずっと大きいのではないかと思う。

 他の時事ニュース群

我が国にそんな約束事があったとは知らなかった

 航空自衛隊だかの偉い人が,事前に申し合わせをせずに論文を発表したことが問題になっている。
 どうも,以前に村山総理だかが表明したことに反する内容の論文らしい。
 朝鮮や中国大陸への侵攻を正当化したものだとか。

 論文の内容がどうあれ,私は日本という国において人間が論理的に正しいと思ったことを独自に発表したりすることが公的に禁じられているとは,知らなかった。 侵略国家云々に関しての議論はここではするつもりはないが,太平洋戦争や日中事変で日本の方が悪だった,ということが我が国の政治的原則であり,対外政策や国防における前提規約みたいにいつの間にかなっていたことも,恥かしながら私は知らなかった。

 私は,どちらが正論か,ということが言いたいのではない。 日本の中枢がそんな暗黙の了解みたいなあやふやなものを絶対的な真実であるかのように掲げており,その点に疑問をもつ人が現れても誰も論破すらできないのか,あるいはあえて議論しようとしないのか,まるで臭いものにフタでもするように封じ込めてしまう。 まして国家の要職に就く人は,それに関して議論することすら禁じられている。 これは民主国家としてあるまじきことだと思う。

 日本という国は,結局本当の意味での民主国家にはなれなかったんじゃなかろうか。 
 戦後の日本というのは,敗戦まで絶対的だった天皇という存在を,単に 『深い反省』 だとかいう言葉にすり替えただけなんじゃなかろうか,と思ってしまう。

 時事

 航空幕僚長を更迭…論文で「わが国が侵略国家は濡れ衣」
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081031-00000049-yom-pol

マケイン氏の失言

 問題発言や失言は日本の政治家に多いが,マケイン氏の発言にも大いにツッコミどころがある。

 

 


老婦人 「オバマは信じられないわ。 だって・・・ 彼はアラブ系だというし・・・」

マケイン氏 「いやいや,それは違います。 彼は家族を愛する,ちゃんとした市民です。 彼と私とはたまたま根本的なところで意見を異にしているというだけですから,それは違います」

 この映像はマケイン氏を支持する人たちの知的水準を如実にあらわしている。 オバマ氏がイスラム系だとかいうデマを真に受けて信じている人たちが実在するのだ。

 また,マケイン氏の発言をよく聞くと,彼自身もアラブ系の人々に対してネガティブな偏見を抱いていることが容易に読み取れる。
 彼が言った言葉をそのまま解釈すれば, 『アラブ系の人は家族をないがしろにする人であり,ちゃんとした市民ではない』 というふうに受け取れるからだ。 これは問題発言だ。
 まあ,これは意地悪な解釈であって,実際のところは,あまりに低レベルな発言に直面してマケイン氏も動揺してしまった,と考える方が正しいと思う。 だけど,ほんのわずかでも人種的偏見のにおいがする発言をすると,それはしこりになって残るものだ。

 私の周囲には共和党を支持する人が全くいないせいか,マケイン氏がオバマ氏と接戦しているという感じがちっともしなかった。 だけど,ついこないだ坊にせがまれて “Chuck E. Cheese” というゲームセンターとファストフードが合併したようなレストランに行って,その客層を見て,初めて実感した。 なるほど前回ブッシュ氏を当選させたのは,こういう人たちがいるからなんだな,と思った。

 

 海外ニュース


 

あからさまに不当な公務執行と偏向報道

 渋谷から,麻生首相の自宅を見学に行こうとした人たちが,なんの前触れもなく突然逮捕され,警察に連行されるという事件があったらしい。

 

 すごい生き方 ブログ

 不当に逮捕された三人を援護するブログ

 逮捕の瞬間の映像を観てみると,実に面白い。

 いろいろ閲覧してみるに,このツアーの企画者は事前に警察と打ち合わせまでしているようだ。 それなのに警察は突然に完全武装集団としてやって来た。 そして,最初に暴力をふるったのは,どうみても警察の方だ。 で,一方的に, 「公妨だぞ,公妨」 などと叫んでいる。
 現場には各局の報道員もいたらしいが,あちこちの記事を見ると警察発表を鵜呑みにした簡潔な記事ばかりだ。 何かがおかしい事件だ。

 警察の発表やマスコミ報道が変だな,偏ってるな,と感じることは時々あるけれど,これほどあからさまにデッチアゲや偏向報道が表沙汰になってしまうというのは珍しいんじゃなかろうか。 

 情報化社会というのは恐ろしい。 ウソをあばいたりデッチアゲを糾弾したりして真実を人々に知らしめるのは良い事なのかもしれないけれど,その反 面,人々は社会というものに不信感を抱くようになってしまうのではなかろうか。 “事実” や “真実” と名のつくいろんな情報が撒き散らされることに よって,ずっと一つにまとまっていた人間の社会がかえってバラバラになってしまうのではないか,と懸念する。

 時事


 <麻生首相>「マンガ、アニメは世界を席巻」とサブカル絶賛 「秋葉原演説はお礼」 初の街頭演説
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081026-00000010-maiall-pol

野村監督の生き方

 ずっと前の日本のオールスター戦で,打者松井のところで,イチローがピッチャーとして登板という場面があった。
 あのときのパの仰木監督の采配には賛否両論だろうけど,あれほどファンの心を躍らせた采配はないし,単純に松井とイチローの投打対決というのを観たいと思った。 どっちが勝っても拍手喝采の名場面だと思った。

 ところが,セの野村監督は,なんと松井を高津に代えてしまった。
 ファンの期待よりも,選手のプライドの方を大事にしたわけだ。

 いくら遊びとはいえ,松井選手には大きなプレッシャーがかかっただろう。 それが野村采配によって救済された。 よく野村監督は, 『今の選手は甘ったれだ』 などと放言したりするけれど,選手を甘やかしているのは野村監督自身じゃないか,と私は思った。 松井選手の強打者としてのプライドは,松井選手自身が “プロとして” 克服すべき問題であって,周囲が守ってやるもんじゃないだろう。 

 ファンにしてみれば,選手や監督のプライドなどはどうでもよく,単純に興味あるものが観たい。 まして,イチローがいて松坂がいてダルビッシュがいて,まさに日本野球史上最強チームにならんとしている来年のWBCにおいては,やはり名実ともに実力ナンバー1の監督に就任して欲しかった。
  当初は野村氏は自分が監督をやりたそうにしてたように思えたし,当然そうなのだろうと思っていた。 だけど出来レースだの,なんだの,と陰口を叩いた挙句 に,結局自分からは一歩も足を踏み出された形跡は無かった。 野村氏が 「何が何でもオレがやりたい」 と言ったら,周囲はそれに反対できるか? いや, できない。 自分から 「オレがやりたい」 などとは言えないタイプなんだろう。 ちょっと,ふがいなさを感じてしまった。 野村氏は 『自分よりも適任 者がいる』 などと本気で思っていたのだろうか。 まさか。

 今回もイチロー選手なら必ず出てくれる,と思っていた。 そしたらやっぱり実に心強いコメントとともに出場の意思表明をされた。 さすがイチロー,我等が英雄。
 原辰徳氏も是非このチャンスをものにして,球界史に残る名監督になってもらいたい。

 ランキング

 <WBC>イチローの出場意思、電話で確認…王特別顧問
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081029-00000098-mai-base
 

柔道の石井は強いのか

 北京五輪柔道の金メダリストの石井慧選手が,総合格闘技に参入するようだ。
 さて,彼はどれだけ強いのだろうか。

 輝かしい実績と,それを裏付ける練習量からして,この石井選手はかなり強いのだろうということは容易に想像がつく。 ただ,彼のきょろきょろとした目の動きや,目上の者に対する服従心の強さからして,実は意外と小心者なのではないかという気がしてしまう。
  世間を賑わした様々な発言は面白いが,それは裏を返せば彼の内面がまだまだコドモであるということだ。 文字通り豪傑なのだから,いくらでも豪傑ぶって結 構なのだけど,見かけ程には図太いタイプでもなく,中身の詰まったタイプでもなさそうである。 その点ちょっと小川直也氏に似たところがある。 だけど石 井選手には小川氏には無かったのびのびとした明るさがあるし,人をひきつける魅力がある。 これからも注目される存在であり続けることは間違いない。

 意地悪なことを言えば,本当の強さを追い求めたいというより,スターになりたいがために総合へ転向したようにも思えなくもない。 強ければ,べつ に動機なんてどうでもいいのだが,できれば途中でプロレスなんぞに転向したりせずに本当の強さを追い求めて上を目指してほしい。

 これまでは育てられて大きくなった選手だが,これからは自分で育たなくてはならない。
 とりあえず,精神面でどれだけ成長できるかが,当面の課題じゃなかろうか。
 ぜひ応援したい。

 ランキング


 石井決断!Dynamite!!でリングデビュー
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081029-00000030-spn-spo

 

四番・原

 

「でたっ, 四番・原の,まったくどーでもいい一発!」

 と言うのが,夏の夜にビール片手で観戦する巨人戦ナイター中継の醍醐味だった。

 原辰徳選手は長いこと巨人の不動の四番だったけど,チャンスでは全然打ってくれず,大勝ち試合か大負け試合に決まってソロホームランを打つ,というスラッガーだったように記憶している。

 そういえば,すごいチャンスで大ファールを打って,両手を挙げてたシーンもあった。
 そんな原辰徳氏が,WBCの監督になるという。
 ぜひとも応援したい。

 

 時事ニュースランキング

 WBC原監督確実、巨人オーナー前向き
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081027-00000014-nks_fl-base


 
 
 

The Fall (2006)   ― 落下の王国 ―

 久しぶりにいい映画を観た気がした。
 病院に入院している人生に絶望したスタントマンの男と,5歳の東欧系移民の女の子の間での奇妙な愛情物語。

 男が話してくれる物語を聞きながら,女の子の頭の中で繰り広げられる空想物語と,現実世界とが行ったり来たりする。 物語にはいろんな意味が込め られていて,難解なようで単純であり,単純なようで難解だった。 空想物語の映像はあちこちの世界遺産でロケ撮影したらしいのだけど, 近年稀にみる映像 美の素晴らしさがあった。 単純に映像美を見ているだけでも飽きない。 こういう映画は何度でも観たくなる。

 物語に出てくる仲間達は皆個性豊かな外国人であり, 一方,黒ずくめの悪者達は 『怒った人たち (Angry People)』 と呼んで対比させていた。 そして女の子の家を焼いた人達のことも,彼女は 『怒った人たち』 と呼んでいた。 アメリカで移民労働者 に対する差別や迫害のあった時代背景であり,そこらへんをよく理解していないとこの映画はただのおとぎ話にすぎなくなってしまう。 Americana exotica という学名の蝶々が,この映画のテーマと,アメリカという移民国家を暗示するかのように象徴的に使われていた。 

 女の子役のカティンカ・アンタルー (Catinca Untaru) の演技が,とにかくすばらしい。 演技じゃない部分も多分にあるんじゃなかろうかと思ってしまう程に,いじらしく,可愛らしい。 彼女の愛くるしい顔をもう一度観たいがために,ついまた最初から観てしまう,そんな映画だった。  

 The Fall

 

浪速のタイソンから浪速のデュランへ

 20年くらい前に辰吉丈一郎選手の試合を初めてみたときは,衝撃的だった。
 バッタバッタと相手をなぎ倒してゆく日本人選手が現れた,と 思い,興奮した。 当時日本チャンプだった岡部選手を倒した試合は凄かった。 ヘッドスリップしてからの長い左フックがチャンプの顔面をとらえたときは, テレビの前で立ち上がってしまった。 とにかくすごい選手が現れた,と思った。

 浪速のタイソンという雷名は,新聞のスポーツ欄の一角で知った。 中学時代は札付きの不良で,しかもケンカでは負けたことがなく,手を焼いた担任の教師がたまりかねて帝拳ジムへ連れていったという。 それだけで既に伝説的だった。
 当時,不良だとかツッパリといった風俗の終焉期だっただけに,辰吉という存在は同年代の元不良少年達にとって不世出のヒーローであったように思う。 ダウンしている相手に向かって 『起てや,コラ』 とでも言っているのか,グラブでもっておいでおいでのしぐさをするのが,たまらないくらい魅力的だった。

 辰吉氏をみていると, 『ボクシングが好きで好きでたまらない』 という様子が伝わってくる。 リングに立ちたい,生涯現役でいた い,試合をすることに意義がある,という気分が伝わってくる。 今回もそういう気持ちがタイでの試合にこぎつけたのだろう。 重量級ならともかく辰吉氏の ような軽量級選手がで38歳で復活というのは驚異的だ。  相手は決して強い選手ではないが,そんなことはべつに全然かまわない。 辰吉丈一郎は何よりも 自分の為に,ボクシングがやりたくてボクシングをしているのだろう。  観客やカネやベルトの為にボクシングをしているのではない・・・ と言えば,怒ら れるだろうが。

 石の拳と呼ばれたロベルト・デュランは50歳を超えるまで現役であり続けたという。 辰吉氏もデュランのように生涯現役でありたいと思っているの だろう。 誰の体でもない,辰吉氏自身の体なのだ。 失明しようがパンチドランカーになろうが,できるところまでボクシングをやり続ければいい思う。 そ れは至極幸せなことだ。

 

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 辰吉、復帰戦でTKO勝ち=5年ぶりバンコクで-ボクシング
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081026-00000072-jij-spo




 

アンダーグラウンド (村上春樹)

 地下鉄サリン事件の被害者一人一人にに村上春樹が直接インタビューして集めた体験談集。 『地下鉄サリン事件』 というひとつのテロ事件が日本人にとって一体どういうものであったか理解する上で,この本に勝るものはおそらく無いのではなかろうか。 

 マスコミによる地下鉄サリン事件の報道では,オウム側の犯罪手順や思想等について詳細な分析がなされたのに対し,最も苦しんだはずの被害者達は単に  『かわいそうな人々』 というカテゴリにひとくくりにされただけだった。 筆者は直接被害にあった人達の一人一人にじかに会って,彼らの生い立ちや仕事, 生活背景などについて細々と話を聴くことにより,地下鉄サリン事件というものが一人一人の被害者の人生において一体どういう衝撃であり,どういう爪痕を残 したのかを理解したかったという。

 何か物事を理解しようとするとき, 『木より森を見よ』 という言葉があるが,筆者は木の一本一本をつぶさに眺めることに徹していた。 また,本の中で筆者は  『自分が現在前にしているインタビュイーの一人ひとりを,個人的に感情的に好きになろうとつとめた』 と語っていた。 人それぞれが異なった生活背景や 人生経験,性格をもっているものだし,それぞれが人間社会のドラマの中で重要な役割を演じているものなのである。 人間の社会だけでなく歴史,文化や国家を見つめる場合も,そのことを忘れてはならないと感じた。

 アンダーグラウンド (講談社文庫)

搭乗拒否リスト

 私と同姓同名の人がこの搭乗拒否リストに載っていたらしい。
 5年ぐらい前,アメリカで国内便に乗ったとき,帰りの飛行機のチェックインで突然足止めをくらった。 なにやら照会するからといってカウンターで30分以上も待たされた。

 それ以降,飛行機にチェックインするときは,自動発券機を利用することができず,いつも係員のいるカウンターまで行って個人情報を照会してもらわ なくてはならなくなった。 照会といっても免許証などに記載されてる名前と生年月日を調べるだけなのだけど,係員が電話を通して行うために時としてすごい 時間がかかる。 電話の向こうの係員が昼食に出かけたり,トイレに行ってたりするからだ。 時間が差し迫っていたり,空港が混雑しているときなど,実にハ ラハラしたものだった。 自動発券機でスイスイとチェックインを済ませる他の乗客たちを横目にみながら, 『シアワセなんて望まぬが,ヒトナミでいたい』 という,子供の頃に聞いた “昭和枯れススキ” という歌の詞を思いだした。 一度,ランダムに行われる厳重チェックにも引っかかったことがあり,飛行機に間に合わなかったこともあった。
 だからいつも飛行機に乗るときは,なるべく早い時間に行くことにしている。

 そしたら,去年からか,私も自動発券機を使ってチェックインできるようになった。
 たぶん私と同姓同名の人がリストから外されたのだろう。
 やっと人並みになれたような気がして嬉しかった。

 

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 「搭乗拒否リスト」に2500人 米テロ監視対象者の人数公表
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081023-00000001-cnn-int

セロテープからX線

 セロテープをひっぺがす瞬間に,なんとX線が発生するんだそうだ。 まったく驚きだ。
 ただし,真空中でないとダメらしい。
 今週のネイチャーの表紙にもなっている。

 Nature

 人工ヤモリの足といい,このセロテープの話といい,こういう話は大好きだ。 意外なところにまだまだ人間の知らない自然の秘密があるものだ。

 まだ読んでないので詳しくはわからないけれど,粘着テープが実際に剥がれている部分というのは細い一本の線状になっているわけで,そのとき引っ張る力の全てがその線に集約されるからじゃなかろうか。 テープが剥がれている線の部分で粘着剤がほんの一瞬伸びてまた縮むときに発生するエネルギーというものは膨大なものになるらしく,おそらくその一部がX線として放射されるのだろう。

 この方法を利用すれば,特に高電圧など発生させなくとも廉価にX線を発生させることができる。
 いろんなことに応用できそうだ。

 真空中でないとX線は出ないらしいので,普段ふつうにセロテープを使っていてもX線にさらされる心配はないらしい。

 

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2008年10月25日土曜日

クフラーのドンキホーテ

 このブログのロゴについて書いてみたいと思う。 
 この騎士の絵は,実は私のオリジナルではない。

 私の尊敬する神経生理学者スティーブン・クフラー (Stephen Kuffler) 博士が自らを戯れに描いたものだ。 
 クフラー博士は,自慢のガラス微小電極の剣を片手に ニューロン (神経細胞) に果敢に立ち向かうドン・キホーテに自らをなぞらえている。
 いつか脳のしくみを解明してやろうという,やや無謀ともいえる野心をもったドン・キホーテというわけだ。

 クフラー博士が活躍されていた当時,ガラス微小電極を用いた電気生理学の黎明期だった。
 ガラス微小電極というのは,熱したガラス管を引っ張ってつくる極めて鋭利な電極であり,管の中に電解液をつめて電気伝導性を与えている。
 先端が1ミクロン以下なので,ひとつの神経細胞や筋肉細胞に直接突き刺して,その電気活動を記録することができる。  この技術のおかげで生理学は飛躍的に進歩した。

 顕微鏡下で,とある動物の脳に5本の微小電極を刺入しているところ。 
 顕微鏡の周囲をとりかこむようにガラス微小電極を動かす装置が並ぶ。

 こんにちでは,イメージング技術を使った解析がだんだん主流にきていて,電気生理学は技法としては古典的な手法になりつつある。 大いなる敵に果敢に立ち向かうドン・キホーテであったのだが,いまや時代遅れの象徴になりつつあるのかもしれない。


 クフラー博士がドン・キホーテなら,私はガラス微小電極のライトセーバーを構えたジェダイの騎士の絵でも描こうかな。

 

2008年10月22日水曜日

立派な人権侵害だと思う

 暴力団関係者とゴルフしたからってんで,NHKの番組に出れないんだそうだ。

 まったくもってバカバカしい話だと思う。
 ある意味とても日本人らしい,すごくネガティブなムラ社会的発想だと,私なんかは思う。

 べつに誰とゴルフしたっていいじゃないかと思う。
 暴力団関係者だからといって,べつにゴルフ場で違法行為していたわけでもなかろう。  単にカネ払ってゴルフしてただけじゃないか。 べつに暴力団関係者だってゴルフ客であることには変わり無い。 ゴルフして余暇を楽しんだっていいじゃない か。 それなのに一緒にプレーしたというだけで選考から外されてしまい,また,わざわざそれを公に発表するというのは一体どういうことなのだろう。 公の ケガレ忌避思想であり,これは国民の人権を明らかに否定する行為だと思う。

 NHKなんて,暴力団と癒着していなくたって,さんざん不祥事があったくせに。

 『不祥事の相次いだ不良な公共放送局と接触のあった芸能人は,うちでは出演お断りです』

 といって,民放局が一斉にNHKに出ていた芸能人を拒否してやればいい。
 でも,それじゃあ被害をこうむるのは芸能人と民放の方か。

 あるいは,あの週刊誌のスクープは,年配の演歌歌手達を紅白から追い出すための口実をつくるためだったのかもしれないな,などと思ったりする。

 

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 暴力団コンペ参加者は紅白落選=NHK
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081022-00000103-jij-soci

 

いとしのエリー

 わらってもっとべいべー むじゃきに おっぱいぱい♪
 うつってもっとべいべー すてきに いっぴょっさい♪

 子供の頃は,こういう歌詞なのかと思っていた。

 サザンの歌は今でも好きなので,時々新しく編集したプレイリストなんか作ってはCDに焼いて,通勤の車で聴いたりしている。 だけど, 『いとしのエリー』 は,名曲すぎてなんだかもう聴き飽きた観があったので,いつもリストからは外していた。

 “エリー” のモデルとは桑田佳祐氏のお姉さんのえり子さんだったのだそうだ。 知らなかった。
 桑田氏が若かりし頃,姉 のえり子さんが彼氏とケンカしたりして泣きながら帰ってきたり,あるいは彼氏と互いに傷つけあったり,夜を泣き明かしたりして,でも,それでも彼氏と離れ られない様子をみて感銘をうけ,それで “男と女” という関係の素晴らしさをうたった歌なのだろうか。

 そういう情景をおもいうかべながら,あらためて “いとしのエリー” を聴いてみた。 やっぱり,いい歌だ。
 そのえり子さんが亡くなられたそうだ。 ご冥福をお祈りしたい。

 

 <桑田佳祐>姉の岩本えり子さん死去 「いとしのエリー」モデル
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081022-00000002-maiall-ent 

 人によって違うだろうけど,傷つけあうのを怖れたり面倒がっていては,まともな恋なんて出来ないように思う。 最近の若い女性の中には,すごい年 上のオッサンとつきあってラクチンな恋をしたがる人が多くなったと聞いたりするけれど,そういう気分は私にはあまりよくわからない。 恋というのは不思議 なもので,苦しくなるような恋ほど真剣になれると思うのだけど。 あるいは真剣だから苦しいのか。 苦しいけど楽しいことなんて恋の他に何がある。


 くちびるがひらく ムネが波打つ♪
 ダメになりそな 今宵の二人 Woman, woman ♪

 (わすれじのレイドバック 桑田佳祐)

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ヤモリの足の実用化

 ヤモリや蜘蛛が壁や天井を這ったりできるのは,足先に密生した細かい毛がつくりだすファンデルワールス力という不思議な引き合う力によるものらしい。 
 この力を利用した接着素材の実用化に成功したんだそうだ。
 これはすごい発明だ。

 Mimicking Gecko Feet: Dry Adhesive Based On Carbon Nanotubes Gets Stronger
   

 ただ,カーボン・ナノチューブがポロポロと壊れて空気中に飛散したりしたら・・・ という懸念もある。 これを吸い込んだりしたらアスベスト同様にかなり人体にとって危険なのではなかろうか。

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接着力、ヤモリの最大10倍=炭素ナノチューブで面ファスナー-米チーム    
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081021-00000009-jij-soci

“Drill, Baby, Drill” ― 画餅にすぎぬ候補者のエネルギー対策

 マケイン&ペイリン候補は “Drill, Baby, Drill” というキャッチフレーズでもって,近海の油田掘削推進とアメリカのエネルギー自給自足化を訴えている。

 ところが,ペイリン氏が知事をしているアラスカは,アメリカ国内で唯一の天然ガスが採れるところなのだそうだが,そこで作られた液化天然ガスはア メリカ国内には供給はされることはなく,ほとんどが日本に向けて輸出されているし,今後も少なくとも二年間は日本に送られ続けるとのこと。 一方でアメリ カは世界のあちこちから大量の石油と天然ガスを輸入している。 どういう因果でこうなるのか私には説明できないけれど,おそらく輸送や為替など金銭的にそ れが一番効率的だからなのだろう。
 一方,オバマ氏が掲げる太陽光やら風力等のクリーン・エネルギーの実用化に関しても,先行きはまったく不透明だ。

 結局,大統領候補が掲げているエネルギー対策なんてものは,ガソリン価格の変動による国民の不安を逆手にとって利用しているだけの画餅にすぎないということだろう。

 私は油田開発など大反対だ。 地球が何億年もかけて蓄えた太陽エネルギーを,ほんの数十年という一瞬のうちに解放してしまったら,地球が変になってしまうに決まってる。

 Palin backs shipping Alaskan LNG to Japan

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キナ臭くなってきた大統領選

 ノースカロライナ州のウェストキャロライナ大学構内で,頭を撃ち抜かれた子熊が “OBAMA & BIDEN” のビラに包まれた状態で見つかったそうだ。

 嫌な話だ。
 熊が可哀想だ。

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 Dead bear covered with Obama signs found at school  

 

パウエル氏の談話

 元国務長官で共和党のパウエル氏が,民主党代表のオバマ氏をサポートすると表明した。
 父ブッシュが大統領時代,パウエル氏は湾岸戦争の 指揮官としてよくテレビに映っていたのを覚えている。 また,現行のブッシュ政権では国務長官を務めていただけに,驚きの発表ともいえる。 だけどパウエ ル氏は,イラク侵攻に関しては強い疑問を表明していたし,ライス国務長官とも意見が対立していたようだった。 そこらへんの機微は,映画 “W.” で詳しい。 
 どちらかといえばオバマ氏の政策に賛同する一方で,共和党員であるという立場から,パウエル氏がどう出るかという点は前から注目されていたと思う。

 パウエル氏はベトナム戦争に従軍して二度負傷しているし,その後も軍人として要職についている。 戦争というものを熟知している,という点においてマケイン氏に全然引けをとらない。 戦争を知らないオバマ氏にとって,ものすごく心強いのではないかと思う。

 インタビューの中でパウエル氏は, 『オバマ氏がイスラムだ』 というデマが共和党のキャンペーンや支持者の間でまことしやかに流れされている点 を指摘していた。  「イスラムだったら,どうだと言うのだ?」 「アメリカという国では,イスラムだろうと,何教の信者だろうと,何の問題もなく大統領 になれるはずだ」 「オバマ氏の名前がなんとなくイスラムっぽいというだけで,共和党はそれをネガティブなキャンペーンに利用している。 それだけで共和 党のやり方はアメリカという国の建国理念に反している」 と指摘している。

 パウエル氏がオバマ氏を支持するということを “有色人種同士だから” という側面でしか観ることのできない人は共和党支持者にかなり多い。 それだけで私は共和党が嫌いだ。

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 米大統領選 オバマ氏を支持 パウエル前国務長官
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081019-00000020-maip-int

 

三浦氏が知っていた秘密とは

 三浦和義氏は他殺だった可能性が高いらしい。
 そう思っていただけに,やっぱりか,という感じだ。

 そもそも,シャツなんかで首を吊るなんてことは難しいと思う。 首吊った,などと簡単に言うけれど,袖の部分そのままでは太すぎるだろうから細く て硬い紐状にしなければならないだろうし,ベッドの上に引っかけていた部分だって,よほど工夫しないと人間の重みがかかれば簡単に切れてしまう。 練習し ておかなければ短時間ではできるものではないと思う。 首が半端に絞まったぐらいでは,失神するかもしれないけれど,確実に死ねるわけでもない。

 やっぱり映画のワンシーンみたいに,看守がチェックした直後ぐらいに一人もしくは数人の暗殺のプロが突然ドカドカと押し寄せるようにやって来たんだろうか。 まったく逃げ場の無い個室で,それこそあっという間に殺害されたんだろうか。 だとしたら,恐ろしい話だ。

 三浦氏が知っていた秘密とは一体何なのだろう。
 彼が犠牲者だったのか,あるいは自業自得だったのかすら,よくわからない。
 少なくとも彼がこの世を去ってしまったことだけは事実なので,冥福を祈りたい。

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 「三浦元社長は他殺」弁護側の病理学者が結論
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081020-00000558-san-int

 [三浦元社長]「他殺」と結論…弁護側が遺体を独自鑑定

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2008年10月11日 (土)

三浦氏が隠していたもの

 いまさら有罪か無罪か,殺した殺さないぐらいのことで,この人は自殺などしないだろう。
 何かを隠していたか,あるいは隠そうとしていた人々がいたように思う。
 私はロス疑惑そのものの背景に,何か大きな組織があるように思っている。
 マフィアか何か,オオゲサにいえば国家機密に関係することだとか,そういうものだ。
 まったく私の想像に基づくことだけど。

 ロス疑惑には想像がふくらむだけの不自然な点はいくらでもある。
 今回の逮捕や裁判の結果,そこらへんのことが明るみになるんじゃないか,と期待していた。
 それだけにこのニュースはすごく残念だった。

 三浦氏のことを執拗に追い詰めていた人がいたというし,今回のグアムでの逮捕もその人が暗躍したことによるものらしい。
 その人は一体何を知っているんだろう。

 くり返すようだが,この人は有罪か無罪かぐらいのことで,あるいは孤独な戦いに疲れたからぐらいのことで自殺などしないと思う。
 三浦氏は何かを隠そうとしていたか,あるいは口封じのために殺されたんじゃなかろうかと思っている。

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 三浦元社長 面会12時間後…因縁の地ロスで最期
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081011-00000019-maip-soci

2008年10月19日日曜日

W. (2008)

 ジョージ・W・ブッシュ氏の半生を描いたオリバー・ストーン監督の映画 『W.』 を観てきた。
 ブッシュ政権に対する風刺とか揶揄というのでなく,人間ジョージ・W・ブッシュを描いた,むしろ物悲しさすら感じさせる映画だった。

 主人公のジョージ・W.は,品行方正な父や兄とは対照的な,カウボーイ・ハットのよく似合うごく普通のテキサス男であり,とても愛すべき人であっ た。 おそらく実際にそうなのであろう。 そして何よりもジョージ・W. の心の支えだったローラの存在が大きく,一途に彼女を愛し続けたのが印象的だった。 それだけでもビル・クリントン氏よりも好感を抱いてしまう。 もちろ ん一個人として。

 強い野心と正義感,そして父に対する反発心を抱いていたジョージ・W.は見事にテキサス州知事となり,そして大統領選出馬を決意する。 この流れ はまさにアメリカンドリームそのものであった。 ただ,彼はさほどに利口な人物ではなく,政治の話よりもフットボールや野球の観戦の方が好きな,ごく普通 の人だった。  

 この映画を観ていて,私は漢の初代皇帝高祖こと劉邦の ことを思い出した。 ブッシュ氏はまさしく劉邦だと思った。 明るい性格で,一途で,不良ッ気があり,男としての可愛気があり,そして,ちょっと馬鹿なの だ。 馬鹿といってもハーバードでMBAを取得しているぐらいなのだから頭脳は明晰なのだが,大きく抜けたようなところがある。 有能な人材がこぞって手 助けしてあげたくなるような将器のある人だったと思う。 昔の中国や日本だったら,きっと名君になっていたかもしれない。
 ただ,残念ながら劉邦 との決定的な違いは,彼をサポートすべく集まった閣僚達があまりパッとしなかったことだ。 そしてリチャード・ドレイファスが演じる副大統領のディック・ チェイニーが,ブッシュ政権を悪い方へ,悪い方へ,と導いていゆく。 そしてブッシュ氏も物事を善と悪でしか考えられない人だった。

 そういえば私が渡米を決意したのは,ちょうどブッシュ氏が大統領に決まった頃だった。 そして現在まで,ずっとブッシュ政権の下で生活してきた。  そのせいかどうか,私はブッシュ大統領に対して不思議な愛着がある。 もうじき彼の任期が終了してしまうわけだが,待ちに待った瞬間なのだけど,ブッ シュ氏の無邪気な正義感に満ちあふれた顔が見れなくなるのは,ちょっと寂しい気もしてしまう。
 オバマ氏か,マケイン氏になるかわからないが, 「ブッシュ時代の方がまだ良かった」 というふうにならないことを祈るばかりだ。

 

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 ブッシュ大統領の半生描いた映画「W」 大統領選大詰めの中で全米公開
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081018-00000514-san-int

2008年10月18日土曜日

とても楽しみなブッシュ氏の映画

 今日封切りなので,一連の家事仕事を片付けたら,ぜひ観てきたいと思う。

 大統領もしくは政治家としてでなく,一個人としてみたとき,私はブッシュ氏はとても魅力ある人だと思っている。
 読書家だといわれているし,人の話にもよく耳を傾ける人だという。

 監督はオリバー・ストーン。
 どんな映画なのか実に楽しみだ。

 経済危機だし,大統領選挙もある。 まさに激動の時期だ。 自身の将来にも不安がある。
 そのせいもあってか,ありとあらゆるものが新鮮に映り,不謹慎かもしれないがなんだかワクワクしてしまう。
 暗くなったら負ける。

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 ブッシュ大統領の半生描いた映画「W」 大統領選大詰めの中で全米公開
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081018-00000514-san-int


 

なんで野村克也氏にしないのだろう?

 私は燃える男・星野仙一氏は大好きだ。
 監督としても,解説者としても,評論家としても。
 ただ,監督技術の良し悪しに関しては疑問をもっている。
 これは,好悪とは別問題の話だ。

 日本代表の監督選びで星野氏の名前がまた挙がっている。 どうして野村氏が筆頭に来ないのか私は不思議で不思議でしょうがない。 日本に勝って欲 しいと思わないのだろうか。 私は日本で一番野球を知っている人は野村克也氏だと思っているし,監督としての能力も日本で一番優れていると思う。 おそら く日本の野球史上を通じても野村氏の右に出る人なんて,そうそういないんじゃなかろうかとすら思っている。

 前回の王監督の評価が高いけれど,私は前回のWBCの時から野村氏の方がはるかに安心だろうと思っていた。 選手時代一本足打法を極めることだけ に専念していた人よりも,選手時代から現在までずーっと試合の駆け引きのことばかり考えていた人の方が監督として優れていると思うからだ。 もちろんカリ スマ性という要素もあるから,長嶋氏という名前も挙がったりするのだろうけれど,なんでここでまた星野仙一氏なのか,全く理解できない。 北京五輪のとき だって理解できなかった。 決まったものに異議を唱えてもしょうがないし,なんてったって 『燃える男』 だから,ああいうスポーツの祭典には適任かもし れないと思って応援していた。

 試合が終わってからこういうこと言うのもよくないけれど,こないだのオリンピックの湯水のような継投策なんて愚策もいいとこだったと思う。 リズ ムに乗ってきた投手は換えるべきでないというのは野球の鉄則だと思うし,投手出身の星野氏ならそこらへん痛いほどわかっておられると思う。 それだけにあ の継投策を観たときは,唖然とした。 オールスターじゃあるまいし,あれじゃあ強打者を並べれば強くなるという発想の巨人のオーナーと同じではないか。

 継投策でいくか,先発を信頼して完投させるかの決断こそが監督の腕の見せ所だろう。 それなのに,その一番重要な決断の場面で 『これが自分のや り方だから』 などと言って半自動的に継投させていた采配は,決して評価できないと思う。 私は監督術においては,瞬時の決断力も大切だろうが,それより も最後の瞬間まで考え抜く粘り強い熟考力の方がずっと大切だと思う。 

 私は,野村克也氏がいいと思う。
 バレンタイン氏? 問題外。 まだ金田正一氏の方がいいぐらいだ。 これは日本の代表なんだし,サッカーと違って野球というのは日本の国技に近いものだから。

 野村氏なら勝てるか,と言われれば,それはわからないけれど,野村氏ならばこないだ北京の試合みたいに観てる方まで悔いが残るような試合はしないと思う。

 ブログ村 ニュースブログ 

 ノムさんポロリ「王が星野さんがいいって…」
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081018-00000000-spn-spo

 

Joe the Plumber

 昨夜の討論会で,経済対策においてオバマ氏とマケイン氏のどちらが優れているかということで,オハイオ州の配管業者のジョーさんが両者によって引き合いに出されていた。

 Meet Joe the Plumber

 年収二万五千ドル (約二千五百万円) 以上の家庭や小規模企業者に対して増税する,というオバマ氏の税制論理だが,このオバマ案はまるで 『成功者に 対する罰則』 のようであり,これでは社会主義ではないかと反発する人がわりと多くいるようだ。 いかにもアメリカらしい。

 このジョーさんもその一人で 『私はそんなに収入はないけれども,必ずしもオバマの税制改革案を支持はしない』 と言っている。
 ただ,どちらに投票するかは,それはまだわからない,という。

ジョー 「私の意見など参考にしないで,一人一人が候補者の話を聴いて,自分のアタマで考えて投票するべきだ」

 まったくそのとおりだ。

 ブログ村 海外ニュース

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081016-00000539-san-int

2008年10月16日木曜日

ジョンとヨーコの未公開写真

 ジョンが死ぬ直前に撮影されていたという,ジョンとヨーコの写真が公開された
 全裸のふたりが重なって性行為をしているようなポーズのものもあれば,二人で着物を着ているものもある。
 
 私は,ジョンとヨーコの写真をみるのが好きだ。
 人間の営みの中でいちばん美しいものは愛であり,愛の美しさをつきつめれば,男女が裸になるしかない。 
 いつもはヨーコの独特でふしぎに嬉しげな表情にひかれるのだけど,今回のはジョンがすごく優しげで穏やかな表情をしているのが印象的だ。
 

 Newly Released Photos Reveal Lennon's Final Days
 http://www.npr.org/templates/story/story.php?storyId=16145480

 この写真を撮ったときは5年ぶりのメディア復帰だっただけに,写真公開に多少のとまどいがあったらしい。

 この10日後に,ジョンは撃たれてしまう。

 - 2007/11/10(Sat) -

米大統領候補テレビ討論会・最終回

 最後のテレビ討論会が終わった。
 二人の候補者に,お疲れ様と言いたい。

 第一回の討論会とは対照的に,オバマ氏が終始余裕の表情だったのが印象的だった
 マケイン氏がオバマ氏に対して否定的な発言をしても,オバマ氏は全く動じることなく一つ一つ返答していた。
 両者の風格にも決定的な違いがあった。 もう,オバマ氏で決まりでしょう。

 今日のマケイン氏は終始笑顔をみせていたし,ところどころ目をぐるっと回してみせたりして,これまでになくやたら表情豊かだった。 マーべリックというニックネームからかけ離れた観があり,なんかすごくいい人に見えた。 なんだかちょっと哀れでもあった。 

 もう何度も聞かされたことだが,国の投資の対象においてオバマ氏とマケイン氏とは真っ向から対立していた。
 オバマ氏は教育や学問に力を入れることで国の未来を拓こうとしているのに対し,マケイン氏は国の予算を大幅にカットさせる,などといいながら戦争は完全に勝利するまで継続させる意向でいる。 つまり中東での戦争における栄誉ある勝利に国の未来を賭けている。

 今の経済危機について,両者ともに今はすごく大変な時期だと言っていた。
 これから数年は経済後退するんだろうけれど,オバマ氏が 『私も皆もタフな時代になるが,皆で頑張って乗り切らなくてはならない』 『税はとるべきところからは取る』 と正直に語っていたのが好印象だった。

 あと,オバマ氏は韓国の名を挙げて,米国と東アジアとの貿易不均衡を指摘していた。
 一昔前は日米貿易摩擦が一番の話題だったのだけど,今では日本はすっかり敵でなくなったようだ。
 なんにせよオバマ氏が大統領になれば日本も韓国もアメリカべったりではいられなくなるだろう。
 そうなったら麻生氏の自民党政権はそこで終了して,民主党が与党になるんじゃなかろうか。

 あと半月したら結果が出る。

 ↓応援よろしくお願いします。
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 米大統領選3回目の討論会開始 経済問題中心に議論
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081016-00000539-san-int

 米大統領選TV討論、税制改革で両候補が応酬
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081016-00000421-reu-int



 

相撲がカッコ悪いものになった

 相撲が八百長か八百長でないかってんで証言したりしているが,実に馬鹿馬鹿しい話だ。 そういうことが話題になるという時点で既に相撲という芸能がちっとも面白くなくなったということだろう。 人々は相撲というものを否定する口実を探しているように思う。

 昔,元横綱の北尾氏が暴露本を出したりしたけど,あの頃はべつに八百長疑惑なんてどうでもよかった。 あんな変人の主張などよりも,実際の相撲を観ていた方がはるかに面白かったからだ。
  プロレスだってそうだ。 猪木の切り札の延髄切りは放送時間を計算した上での演出だったらしいけれど,それでも当時のファイトは本当に面白かったから,別 に演出なんてどうでもよかった。 最近のプロレスはあまり知らないが,それでもファンを大事にする姿勢は変っていないんじゃないかと思う。

 とにかく最近の相撲は見るからに面白くなさそうだ。
 一番強いはずの横綱が 『なんだかカッコ悪い』 というのが一番のネックだと思う。

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 貴乃花親方、八百長を否定=名誉棄損訴訟で出廷-東京地裁
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081015-00000180-jij-soci


 
 

2008年10月15日水曜日

カラストンビ (イカのクチバシ) からわかること - 2008/03/28(Fri) -

 イカの口は,するどいクチバシ状になっている。
 『からすとんび』 とか 『とんびがらす』 と呼ばれる珍味は,このイカのクチバシを動かす筋肉の燻製だ。
 この筋肉塊は軟体動物特有の口球 (buccal mass) とよばれ,獲物を捕食するとき強力な噛力を生み出す。

 ふつう,アゴのある動物には,それを支える骨格があるのだが,軟体動物のイカには骨格がない。 
  だから,イカのアゴであるクチバシは特殊な構造をしていて,先端はすごく硬いのだが,根元に近づくにつれて徐々にだんだん柔らかくなっている。 このおか げで噛みついた獲物には大きなダメージを与えられるけれど,自分の体が硬いクチバシによってダメージをうけることは無い。
 こんどスルメやカラストンビを食べることがあったら,よく観察してみるとよい。

 イカのクチバシのように,硬い材質から徐々に柔らかい材質へと移行していくような素材は,インプラント医療なんかで大変重宝されるだろう。 たとえば体と接する部分を柔らかく,先端に行くほど硬くなるような材質は,義手や義足には理想的だ。
 だが,いざ人工的に造るとなると,意外とこれが難しいものらしい。

 イカのクチバシの研究に,アメリカの国立生命医学研究所 (NIH) から多大な研究費が助成されている。

 Squid beaks may have medical application
 http://news.yahoo.com/s/ap/20080327/ap_on_he_me/squid_beak

 

2008年10月14日火曜日

『動物解剖反対』 という名の少女

 解剖や実験のために動物を犠牲にすることに反対して,自らの名前を
 “CutoutDissection.com
 というURLに変えてしまった女性がいるんだそうだ。

 Woman changes name to a URL to protest dissections

 実験のために動物を殺すのは,たしかに可哀想だ。 反対したくなる気持ちもわかる。
 しかし,どんなに技術が進歩したとしても,動物を生かしたまま生命原理の本質を理解するなんてことは,まず不可能だろう。 食べるのと同様に,知を得るためにも時として人は動物を殺さなくてはならない。

 『人はパンのみにて生きるにあらず』 とイエスが言ったという。 人間は肉体の欲求を満たすために生きているのでなく,心を養うために生きているということだ。 食っちゃ寝して生きるだけの存在ならば人間も他の動物と何ら変わりない。
 人間の糧となる 『神の言葉』 とは 『知』 だと解釈している。 人は食べ物だけでなく,知を食べて生きる動物だ。 人間が他の動物と違う点は,強い 知的好奇心をもつということだし,知を満たそうとする欲求は,肉を生かすための欲求以上に大切なことだと思う。 食べるために動物を殺すことと,知識を得 るために動物を殺すことは,どちらも同じくらい重要だ。 

 動物の肉を調理して食べるときは,それなりの敬意をもって食べる。 殺された動物の筋肉や脂肪が私個人の生命のエネルギーとなり,肉棒,いや肉体となるからだ。
 同様に,生物実験のために動物を解剖するときは,敬意をもって執刀する。 殺された動物の体のしくみや生理機能は私の知識となり,それが新たな知識を産 んで人類の英知となる。 個人の肉体は個人の肉体でしかないが,個人の知識は全人類の知識となりうる。 人にとって知というものは,肉よりも大切なものだ と思う。

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ペイリン氏の勘違い

 ずっと以前にヒラリーさんと比較してサラ・ペイリン氏のことを書いたことがあった。 目前の現実を直視せずに,自己の先入観や憶測というフィルターを通してものを観る典型だろう,というようなことを書いた。
 バージニア州での演説で,遠くで応援してくれているファンを自分を批判している集団だと思い込んで,何やら捨てゼリフを吐いたらしい。

 Palin mistakes fans for protesters at Va. rally  

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―――
サラ・ペイリンと,ヒラリー・クリントン

 - 2008/09/05(Fri) -

 マケイン氏が指名した副大統領候補のペイリン氏が全米で注目されている。
 とても美しい女性なので,私も注目してみた。
 “満塁ホームラン” と賞されたスピーチも聞いたりした。

 だけど,私は,あんまりこの人は好きではないらしい。
 スピーチはすごく上手だし,おしゃべりも得意なのだろうと思う。
 だけど,とにかく私はあんまりこの人は好きではないようだ。

 Palin slams Obama

 外国で暮らしていると,人を見る特殊な目がとくに養われるように思う。
 人を見る目といっても,別にその人の能力だとか,知性や性格とかを見極める目というのでなく,単に  『この人となら,話が出来る』  『この人は,私の話なんかには耳を貸してはくれないだろう』 という直感みたいなものだ。
 ただの相性といえばそれまでだし,べつに日本にいたって養われるものなのだが。
 私の場合とくに 『外国人や異文化に対して,どういう反応をしめす人なのか?』 ということに関して,かなり敏感になったと思う。 顔を見た瞬間,会った瞬間にそれがわかるような気がしてしまう。 ただ,顔写真だけではわからない。

 相性というのは性格とか体質の相性ばかりでなく,知性の相性のようなものがある。
 話を聴いているだけで気分良くなってくる人もいれば,話している顔や呼吸,表情を見ているだけでムカムカしてくるような人もいる。
 ペイリン氏のスピーチを聴いていると,私はなんだかムカムカしてくる
 何故ムカムカしてくるのだか,うまく言葉に出来ないのだけど,彼女の言葉のほとんどが,Frankfurt 氏が述べるところの典型的な Bullshit だからだと思う。
 仮に立食パーティーなんかで同席する機会があったとしても,この人にはあんまり近寄りたくないな,という気がしてくる。 向こうも私など相手にしてはくれないだろうけど。

 ちなみに元ニューヨーク市長のルディー・ジュリアーニ氏も,私は大嫌いだ。 とくに理由はない。 テロがあった頃から何故だかあの人は嫌いだった。 あの独特な笑顔をみていると,なぜか背筋が寒くなる。

 女性ということで,すっかりクリントン氏からペイリン氏へと視線が映った感じだが,私はヒラリーさんがすごく好きだった。
  ヒラリーさんなら,私の話でも聴いてくれそうな気がするし,もしパーティーで同席する機会があったら,躊躇せずに近寄って行きたくなるような人だ。 この 人なら話がわかる,私の話にも耳を傾けてくれる,というような気がしてしまうのだ。 ただそれだけのことなのだが,今でもヒラリーさんが舞台から降りざる を得なかったことは残念に思っている。 

 マケイン氏が大統領,ペイリン氏が副大統領になったら,なんだかイヤだなあ,と本気で思ってしまう。 米国市民でもないのだから,こんなことを気に病んでもしょうがないのだが。
 ああ,いやだ,いやだ。

―――

 憶測で人のことを判断することは,誰だってよくあることだろう。 それはしょうがない。
 だけど,そうやって人の気持ちを憶測して自分勝 手に解釈した挙句に,その勝手な解釈を自分の去就のいい訳や名分にして,突然一方的に何か言ってくる人が時々いる。 おそらく他人に対する自分の洞察力と いうものを相当信頼しているのだろうけれど,大概は見当違いだということに自分で気づいていないか,あるいはそれに気づくチャンスすら自分に与えることな く,逃げるように去ってゆく。
 そういう人も他人に対して直視せずに自分の中で作り上げたイメージに向かって会話することでコミュニケーションをとった気でいるのだろう。 それで自分が成熟したオトナだと思い込んだりしている。

 自分の好きにすればいいのだけど,そういう人に限って必ず捨てゼリフを吐いて,毒を残して去ってゆく。 はなはだ不快だ。

WALL·E (2008) 

 前から気になっていた話題作,WALLE を観てきた。

 そしたら,すごく面白かった。
 久々に泣きそうになったけど,隣に坊がいたので,ぐっとこらえた。

 WALL·E (2008) 

 美しい銀河から,地球へとクローズアップしてゆくシーンで始まるのだけど,とにかく地球が汚かったのが印象的だった。
 どんよりと濁った大気圏の外側に散らばった無数の人工衛星の残骸は,まるでゴミにたかった蝿のようだった。
 地上には,高層ビルよりも高く積み上げられたゴミの山。
 いくらアニメ映画とはいえ,これは切実な光景だ。 まったくシャレでもなんでもなく,すごく現実味があった。
 今の大量消費文明を続けたら,行き着く先はこんなものだろう。

 人間がどんどんバカになっていくという映画 Ideocracy をソウフツさせる世界。
 ただ,映画 Ideocracy との大きな違いは,地球上に人間が一人もいないことだ。
 人類はべつに滅亡したのでもなんでもなく,地球を散らかすだけ散らかした挙句,ゴミの始末をロボット達に任せて,宇宙のどこかへ行ってしまったという。
 この無責任さ。 ますます現実味がある。

 その地球上に残された清掃ロボットの,最後の一台が WALL だった。
 この WALL が,宇宙の彼方からやって来た最新鋭の植物探査ロボット EVE と恋におちる,という話。

 舞台は地球から,人間達が暮らす宇宙の果ての宇宙船へと移る。
 楽園のような船の中で,何百年も食っちゃ寝るだけの生活を続けた人類は,すべてロボット任せで,自分の力では何もすることのできない赤ん坊のような姿になっていた。
 これも実に現実味があった。

 一本の植物をめぐるドタバタを通じて,ずっと冷たかった EVE が,だんだん WALL に心を開いてゆく。
 一途で一生懸命な WALL に, EVE が初めて電子音声で 『ウフフ♪』 と,くすぐったげに笑うシーンでは,ホロリときてしまった。

 ロボット同士の,甘酸っぱすぎるキスシーンなど,もう私は,泣き笑い。

 

 壊れてしまった WALL を必死で治そうとする, EVE の姿。
 もう,ウルウルしっぱなし。
 こういうの,ダメ。 反則。

 そして,ちょっとした転があって,結は・・・
 もう書かないでおこう。 

 とにかく後半は,いろんなシーンで,いちいち泣きそうになった。
 私だけだろうか。
 どうも私は,最初ツンケンしてた女の子が,優しい一途な男の子のことをだんだん本気で好きになってゆく,というストーリーに弱い。

 もう一回観てもいい。 
 私はこの映画に十点満点をあげたい。

 この作品,きっと何か賞をとるでしょう。

2008年10月13日月曜日

日本にバチがあたる

 輸入後にカビの発生などで食用に使えなくなった米240トンを焼却してしまうんだそうだ。
 わざわざ金出してヨソから買った米を粗末に扱って,カビなど生やし,挙句にそれを全部燃やしてしまうとは,なんという金の無駄。 食料の無駄。 労力の無駄。 資源の無駄。

 そういえば,20年ぐらい前だったか米が不作だった年に,政府があわててタイ米を輸入し流通させたことがあった。
 皆こぞって買って食べたりしたけど,結局不味いってんで捨てる人が続出したという話だった。 
 タイの人々がせっかく作った米を,だ。
 カミサマがいたとしたら,そんなふうに食い物を粗末にする人を許すわけがない。
 いつか必ずや天罰が下るだろう,と思っていた。

 おそらく今回の米の焼却に関しても,皆が 『もったいない』 『これではいけない』 と思っているんだろう。 だけどこの流れは誰も止められない。 一人一人がそう思っているにもかかわらず,集団全体として好ましくない方向に流されていき,それを誰も止めることが出来なくなったとき,それを 『世も末』 と言うんじゃなかろうか。 

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 <汚染米>国保有の240トン、焼却処分開始へ
 
 <汚染米>12人接待受ける 農水職員ら業者から
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081003-00000048-mai-soci

未確認潜水艦 ― 日本の自作自演かもね

 日本の豊後水道に潜望鏡が覗いてたってんで,大騒ぎしている。

 中国の潜水艦じゃないか,とか言ってる人が多いけど,私はこれは日本の自作自演なんじゃないかという気がする。
 こうやって対外危機感を煽ることで国防意識が高まり,現行政府のふがいなさを示すことで今後の防衛力強化がより一層しやすくなるだろう。 それで誰が得をするのか。

 まさか日本政府に限ってそんな不誠実なことはしないだろう,と思いたいところだけど,今の世界情勢だとか,今後の日本の動向を考えると,あまりにタイミングが良く出来すぎた事件のようにも思える。 だいいち日本の政府は我々が期待するほどに誠実だろうか。

 海外に仮想敵を作って,そちらに国民の意識を向けて団結させるというやり方は,アメリカの共和党が上手い。 日本では国民の対外憎悪をつのらせるのはわりかし簡単だけど,その後のツメが甘く,かえって批判を浴びたりする。

 こんど強気の麻生氏が首相になるらしい。 麻生氏なら,こういうやり方は性に合っているんじゃなかろうか,という気がする。

 どこの誰が仕組んだのか本当のことはわからないけれど,日本の軍備とアジアの緊張が高まることで利益を得る人が,こういう事件に関与していることだけは間違いないように思う。


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 福田首相「情報収集、万全の態勢を」 高知沖の国籍不明潜水艦
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080914-00000934-san-pol

あなたにも守護神はいる? ― Guardian Angels とは ―

 日本は仏教の国とか,八百万の神の国とか言われる。 
 もちろん神道や仏教の教えを真摯に信ずる人もいるけれど,しかし,日本人の多くにとってこれらは信仰というよりも,むしろシキタリや慣習,儀式であるように思う。
 たとえばお墓参りや初詣など人々は真剣に祈ったりするけれど,墓参りなど厳密にいえば元々の仏教の教義には無いものだったはずだし,ご先祖様が自分を守ってくれるという発想は仏教よりもむしろ原始宗教に近い。 神社で賽銭を投げて祈っているのは神道が示すところの神様に対してではなく,むしろ神社のイメージに沿って自分の想像で創り出した神様に対する祈りだ。 神社というのは,むしろそういう個人の祈りの場を提供しているにすぎない。 
 このように個人個人が感じる神様や守護神のようなものの存在を信じるとき,それを casual mysticism と呼ぶらしい。 日本人の多くは無宗教だというけれど,要するに casual mysticism の信者ともいえるのだろう。

 Do You Believe in Angels?
 
 キリスト教では,天使といった場合,それは神の使いである。
 すでにこの世を去った人が自分を守ってくれている,という発想は,イエスの教えには無い。
 ところが,キリスト教国のアメリカでも実に多くの人が,日本人と同じように自分の親や祖父母の霊が自分を助けてくれていると感じたり,あるいは昔飼っていたペットが今でも自分を守ってくれていると信じているのだそうだ。 
 こういう守護神のことを,Guardian Angels と呼ぶらしい。

 そういえば,トム・ソーヤーを書いたマーク・トウェインは, 『宗教』 のことを 『心の中で本当はそうは思わないことを,信ずること』 と定義していた。
 宗教の教義などよりも,人は自分が感じたものを信じたいのだろう。

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Star Wars: The Clone Wars (スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ 2008)

 ポケモン並みだった。

 これまでのシリーズとは違ったものになるだろう,とは思っていた。
 ただ,今回は若い監督だというので,そこにどれだけ独創性が込められているか,多少期待した。
 そしたら,テーマも何も無い,ただ,ただ戦争して,剣戟があるだけの,全くくだらない映画だった。
 何の哲学も思想もテーマも無い,ただのスターウォーズ・オタクが作った戦争映画だ。  
 どこかの高校生が文化祭で作った映画の方が,はるかに面白い。

 せめて,映画が始まるときの 『ジャーン!』 と “STAR WARS” のロゴが出る瞬間だけでも楽しみたかったのに,そこでもズッコケた。
 あのスター・ウォーズも,墜ちるところまで墜ちた。

 

 戦争というものがすごくエキサイティングで楽しい冒険物語として描かれていた。  
 ジェダイの人々はロボットの兵士をバッタバッタとなぎ倒してゆく。 やっていることは大量殺戮だ。 だけどこれは戦争だし,なんせ相手はロボッだから,そこには罪悪感など何もない。 正義のジェダイが邪悪なロボット軍団を倒している,という構図だ。
 ジェダイの光剣一閃でロボット兵士の首が飛ぶというシーンが何度あっただろう。 アミダラ姫がロボット兵士の顔面を至近距離で撃ち抜くシーンも あった。 ロボットはそれで動かなくなる。 いらだった悪役の登場人物が,報告にきたロボット兵士に八つ当たりして崖下に投げ落として観客の笑いをとる, というシーンもあった。
 つまり,人間性を持たない敵ならば,どんどん破壊してもかまわないし,それが正義なのだ。
 こういう考え方は,これまでの人類の歴史での幾多の異民族間の戦争と,本質的に何ら違いはない。 それどころか,今アメリカという国がやっていることなんて,まさにそれだ。 この映画は,そういう思想を批判するのでなく,むしろ賛美している。

 レーティングはPGだったけど,こういう程度の低い映画こそ子供に見せてはいけない映画なんじゃなかろうか。

 この映画を製作した人たちは,本来のスターウォーズという映画に込められたテーマをおそらく全く理解していない。 フォースの暗黒面というものは,人間の欲望や貪欲さ,あるいは怒りや恐怖などに囚われ支配された心を象徴している。 そういう心のはたらきは時として莫大な富を生むし,強大な力を発揮したりもする。 だけど,それよりもはるかに強くて素晴らしいのは,囚われぬ意思をもった人間の自由な心なのだ,というような意味が初期の作品には込められていた。
 だけど,この作品も含め,エピソードⅠ以降のスターウォーズ作品では,それらは安っぽい善と悪とにすり替えられ,ただのくだらない剣戟カンフー戦争映画でしかなくなった。 いや,こんなこと言ったら剣戟カンフー映画に対して失礼だ。 それ以下だろう。 戦前の 『のらくろ』 と大差ない。

2008年10月12日日曜日

Beverly Hills Chihuahua

 私は基本的に動物モノは自らすすんでは観ない。
 だけど坊が 「みたい,みたい」 というので,観てきた。
 そしたら案外面白かった。

 Beverly Hills Chihuahua

 大富豪に飼われ裕福な生活を送っていたお嬢様チワワが,ひょんなことでメキシコに連れていかれてしまい,そこで悪者にさらわれてしまうという話だ。 なんとかビバリー・ヒルズに帰ろうとして,いろんな犬や,いろんな人と出会い,助けられ,世の中を知ってゆく。 
 いかにもディズニーらしい 『人種的偏見を無くそう』 というテーマも多分に込められていた。

 この映画のテーマは,人というのがいかに眼前の世界や物事の本質を見ることなく,アタマの中に構築した先入観でもって物事を決め付けているか,ということだった。
  大富豪に雇われているガーデニング職人の男に向かって,留守番を任された女性がおもむろにヘタクソなスペイン語で話しかけるというシーンがあった。 土い じりする職業の人は当然メキシコ人だろう,という先入観があるということだけど,これほど失礼な話は無い。 社会の一員になろうとしている人間に向かっ て,言葉を交わす前から 『お前はヨソ者だよね』 と決めつけているからだ。 海外旅行ぐらいしか行った事のない日本人には,この感覚はなかなかわかりに くいだろう。 日本に住む外国人が 『ガイジン』 と呼ばれるのをあまり好まないのと,ちょっと似ているかもしれない。

 私が一番面白いと思ったのは,愛玩犬のケアのために湯水のごとくカネを使う大富豪達の姿だった。
 まるで徳川綱吉の世界だったが,今の経済危機を予見して皮肉を込めて描いたかのような演出だった。

 レーティングこそ低いけど,私の好きなテーマだったので楽しめた。

 

オバマ嫌いとマケイン嫌いの違い

 マケイン嫌いの人はリクツで彼を嫌っている。
 オバマ氏の経済の建て直しの具体案に信頼感を抱く一方で,アメリカ経済をダメにしたブッ シュ政権の継承は嫌だ,とか,戦争継続大反対とか,あるいは環境問題重視などなど,マケイン氏を好まない具体的な理由がちゃんとある。 そしてオバマ支持 の理由を聞けば,わりと明快にスラスラ答えてくれる。

 一方,オバマ嫌いや,ヒラリー嫌いに関しては,リクツではなくむしろ動物的な感覚で嫌っている人が多いように感じる。
 そこに根ざしたものは,人種的偏見であり,性的偏見であることは否めない。
 まして熱狂的なマケイン支持者やペイリン支持者は,常に自分が絶対的に正しいと思うような人たちばかりだ。
 そこにはリクツなどはなく,むしろ信仰とか宗教に近い。

 人間というのは長い歴史を経てもちっとも進歩しない生き物なのかと思ってしまう。

 今回,ペイリン氏の州知事時代の職権乱用が完全に発覚したらしいが,支持者にとってはさほど問題にならないのだろう。 

 ペイリン氏の職権乱用認定=共和党陣営に打撃-米アラスカ州審議会
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081011-00000055-jij-int

 マケイン氏が当選したら,マケイン嫌いの人々は黙るだけだろう。 マケイン嫌いには理性がある。
 一方,オバマ氏が当選した場合,オバマ嫌いの人々は暴動を起こしそうで怖い。

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馬鹿馬鹿しい二重国籍禁止撤廃法案

 うちの坊も娘も二重国籍者だ。
 あと何年かしたら,日本人になるか米国人になるか自分で判断しなくてはならない。
 もしかしたら我々夫婦だって米国籍をとるかもしれない。
 だから,この二重国籍の禁止というルールが撤廃されることは我々にとって喜ばしいことだ。

 だけど,ノーベル賞受賞者の一人がたまたま日系人だったということで,それでこのルールを撤廃しよう,というのはあまりにバカバカしい。

 国籍保有を認めたからといって,南部氏のような頭の良い人が日本に帰ってくるというわけではない。
 要するに,

 『日本人がノーベル賞を受賞しました~』  『日本人はこんなにアタマいいんです~』

 と言って日本を自慢したいだけなのではないか。

 南部先生や下村先生がノーベル賞をとったから,そしてたまたま彼らが日本出身だったからというそれだけのことで,それを国家のプライドにしたいというのミエミエなのが,実にイナカ者くさくてどうもいやだ。 

 ニュースブログ 時事ニュース

 ノーベル賞余波 二重国籍禁止を撤廃 自民法務部会 国籍法改正検討
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081011-00000070-san-pol 

 

三浦氏が隠していたもの

 いまさら有罪か無罪か,殺した殺さないぐらいのことで,この人は自殺などしないだろう。
 何かを隠していたか,あるいは隠そうとしていた人々がいたように思う。
 私はロス疑惑そのものの背景に,何か大きな組織があるように思っている。
 マフィアか何か,オオゲサにいえば国家機密に関係することだとか,そういうものだ。
 まったく私の想像に基づくことだけど。

 ロス疑惑には想像がふくらむだけの不自然な点はいくらでもある。
 今回の逮捕や裁判の結果,そこらへんのことが明るみになるんじゃないか,と期待していた。
 それだけにこのニュースはすごく残念だった。

 三浦氏のことを執拗に追い詰めていた人がいたというし,今回のグアムでの逮捕もその人が暗躍したことによるものらしい。
 その人は一体何を知っているんだろう。

 くり返すようだが,この人は有罪か無罪かぐらいのことで,あるいは孤独な戦いに疲れたからぐらいのことで自殺などしないと思う。
 三浦氏は何かを隠そうとしていたか,あるいは口封じのために殺されたんじゃなかろうかと思っている。

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 三浦元社長 面会12時間後…因縁の地ロスで最期
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081011-00000019-maip-soci


 

米大統領候補者テレビ討論会・第三回の予想

 候補者の支持率をみると,今のところオバマ氏がリードしていて,マケイン氏がわずかに劣勢のようだ。
 マケイン氏やペイリン氏は,政策云々に関して具体的なことはほとんど言わなくなって,もう問答無用でオバマ氏はダメだ,みたいな感じになってきている。

 『オバマなんて,とても信じられない』 

 『あんな社会主義者に国家を預けたら,我らが偉大な国家は終りだ』 

 『そもそも,オバマというのは一体何者だ? 誰か知っているか?』 

 『オバマは我々とは違った種類の人間だ』 

 というふうに,発言のきわどさがどんどんエスカレートしていっている。
 一方,発言内容のレベルというか, 発言の対象 “知能指数” はどんどん下降していっている。

 'Go Get 'em'

 オバマ氏個人に対する憎悪や嫌悪感を煽るような発言ばか出てくるというのは,聞いていていてすごく嫌になってくる。
 どうしてこんな低レベルな発言をする人を支持するのか不思議だ。 要するに頭が悪いんだろう。
 やっぱり政治は感情で,人間もただの動物なんだ,ということだろうか。 

 これまでの討論会では,マケイン氏がオバマ氏の方を向いて話すことが一度も無かった。
 最後の討論会は,今までと全く違った様相になるだろう,というのが私の予想だ。
 これまでと一変して,マケイン氏は真っ向から徹底的にまくし立ててくるんじゃないかという気がする。 これまで温存していた責めの文句を総動員して。 

 オバマ氏がんばれ,私がついている。

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 【緯度経度】ワシントン・古森義久 オバマ氏のタブーとは
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081011-00000061-san-int


民主と自民,民主と共和,中国とアメリカ

 アメリカの共和党と民主党の対立と,日本の自民党と民主党の対立を比べてみると面白い。 同じ民主でも日本とアメリカとでずいぶん違う。
 アメリカの共和党といえば戦争を仕掛けるのが好きだし,自民は共和党政権の女房役みたいになって,日本はアメリカにベッタリになる。 
 だからといって自民党は共和党と性格が似ているのかというと,必ずしもそうでもない。

 党代表が国民に話しかけるとき,人柄や雰囲気を重視するけど論理性や具体性に弱いのは,アメリカでは共和党だけど,日本ではどちらかといえば民主党の方だ。
 麻生氏と小沢氏の演説を比較したら,私は自民の麻生氏の方がはるかに論理性が高いように思う。 

 日本の民主党は高速道路を無料にするという。
 『高速無料』 という売り文句は国民にとっては魅力的だけど,これはどんどん自動車に乗ってガソリンを使え,ということである。 そこらへん石油依存経済を継続させようと主張する点はアメリカの共和党と似ている。 財源はガソリン税ということか。
 ただ,日本は狭い国だし,日本の鉄道網の充実はおそらく世界一だろう。 そんな国でもっと車を乗り回し,石油への依存を高めようというのは,あまりエネルギー効率のよい話ではないと思う。 地球温暖化を防ごうとする時代の流れにも逆行している。 
 しかし視点を変えれば,高速の無料化というのは,今後石油が入手しづらくなることを見込んでことかもしれない。 原油価格が上がり,省エネ技術や代替エネルギーの開発が進むことでガソリンの消費が落ち込めば,自動車からでなく別の財源に目を向けた方がいい。

 アメリカで民主が政権をとれば,日米関係は弱まるだろうし,日本はもっと中国に接近できるようになる。 田中角栄は早くから中国との関係を重視していたといわれるが,小沢氏は田中角栄との関係の深い人だったし,田中真紀子氏との関係も良好だ。

 自民か民主かの選択は,米国か中国かの選択ともいえるかもしれない。

 

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 第2党でも政権交代目指す=野党結集、与党の一部と連携も-小沢民主代表
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081010-00000155-jij-pol

 

喧嘩屋たちの世界

 こないだ Yahoo! USA のトップに総合格闘家のセス・ペトルゼリ (Seth Petruzelli) の顔写真が出ていた。
 なんでもキンボ・スライス (Kimbo Slice) という選手を秒殺したらしい。

  


 “勝負を決するは,大技でなく小技よ” と 『空手戦争』 の大神達也は言っていたが,この試合などまさにその典型だ。 

 キンボ・スライス選手は,ベアナックル・ボクシング,すなわち素手でするボクシングの試合をしていたという。 何だろうと思って調べたら,なんだか人ん家の裏庭とか,どこかの倉庫みたいなとこだとか,駐車場だとか,そういう場所で,まったくの非公認のケンカのような試合だった。

 Kimbo Slice vs. Bouncer

 Kimbo Slice vs. Adryan  (かなり残酷な映像なので,見ない方がいいでしょう)



 それにしてもこのKimboという選手の野蛮人のような風貌は,ロッキー3に出ていたミスターTをソウフツさせる。  いちおう私もケンカ十段なのだけれど,アメリカという国のわりと身近でこんな恐ろしい世界が展開していたのかと思うとゾッとする。 

 素手で殴りあいをするだなんて,とほうもない勇気だと思うし,私にはとても考えられない世界だ。 平家物語の時代の京の公家や平家人にとって,東夷とか坂東武者というのはまさにこんな感じの人々だったんじゃないかと想像する。

 ちょうど日本の平安末期みたいに今まさに世の中が変わろうとしているのかもしれない。 やだなあ。 



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2008年10月7日火曜日

四面楚歌だったオバマ氏

 二回目の米大統領候補・テレビ討論会があった。
 途中から見たのだが,テレビをつけた瞬間に,おもわず目を疑ってしまったほどだった。
 司会者と聴衆の大半が,共和党支持者のようにみえたからだ。 おそらく実際にそうなのであろう。
 これは私だけなのかどうかわからないが,その人が共和党支持か民主党支持か,一目でわかってしまう。
 うまく言葉で表現しづらいが目をみればわかる。 聴衆には,そんな人ばかりだった気がした。 タウン・ホール形式の討論会で,候補者は聴衆の質問に答えるのだけど,私のみたかぎりほとんどの質問がマケイン氏の得意分野だったように思う。
 今回のはオバマ氏にとって厳しい討論会となったのではなかろうか。

 二人の話す内容は,どれも聞き飽きたようなものばかりで,だんだんうんざりしてきた。
 この討論会にどれだけの意義があるのか,よくわからない。
 それでも戦争ネタが多かっただけに,マケイン氏は質問者や聴衆に対して “My friend” などと呼びかけ,まるで水を得た魚のようだった。
 一方,オバマ氏にとっては,今回はちょっと苦しい討論会だったように思う。

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 <米大統領選>マケイン、オバマ両候補が第2回討論会  
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081008-00000021-mai-int

 
 2度目の候補者討論会、金融危機めぐり激しく応酬
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081008-00000017-yom-int

ジョン・マケイン氏の戦争観

 マケイン氏の演説でイラク戦争に話題が及ぶと, 『栄誉ある撤退 (Withdrawal with Honor)』 という言葉が必ず出てくる。 100年でも1000年でも勝つまでは軍隊を撤退させてはならない,兵が帰還するとき,それは 『栄誉ある撤退』 でなければならない,という。 オバマ氏の主張には,真っ向から対立している。

 Atlantic 誌にマケイン氏の戦争観に関する記事があったので,読んでみた。
 マケイン氏の家系はまさに軍人家系だ。 祖父は第二次世界大戦で,父はベトナム戦争で,いずれも提督 (Admiral) だったという。

 フォレスト・ガンプという映画で,ダン小隊長という人物が出てくるが,なんだかマケイン氏の境遇とよく似ているような気がする。 軍人家系の出てあり,両者ともにベトナム戦争で足に大怪我をする。
 ダン小隊長はフォレスト・ガンプが救出してしまうのだけど,撃墜されたマケイン小隊長は戦争捕虜となってしまう。 ここから二人の人生は大きく異なってゆく。 ダン小隊長は苦悩の末に実業家として成功する。 一方,マケイン氏は捕虜として五年間牢獄で過ごした末に釈放され,国家の英雄として称えられ迎えられる。

 ベトナム戦争では,アメリカは実に不名誉な形で戦争を終わらせている。
 転機となった 『テトの攻勢』 と呼ばれる激戦は明らかに北軍の暴挙であり,戦いとしては明らかに南軍とアメリカ軍の大勝利だった。 しかし米軍の犠牲者がわりと多かったことや,アメリカ大使館が占拠されたことなどネガティブな印象の方が伝わってしまい,アメリカ本国では全く逆の評価のされ方をした。
 メディアも世論も反戦一色になってしまった。 せめてあともう少しの時間があれば,南ベトナムは日本や韓国のような民主国家として完全に独立しえただろう,と言われる。 しかしマケイン氏の父のジョン・マケイン・Jr 提督は,あと一歩のところで当初の目的を達成するにいたらなかった。

 今のイラク戦争におけるマケイン氏の立場と,ベトナム戦争時のマケイン提督の立場は,酷似している。 イラク戦争でも戦略的には当初の目的を完遂しつつあり,イラクの民主化と国家の安定も目と鼻の先のところまで来ているのだそうだ。  戦争 に時間制限など設けてはならない。 目的が遂行されたときが,それが戦争を終えるときだ。 ここで撤退などというのは愚の骨頂だ,という。 今,イラク派兵が間違いでした,などと言って撤退してしまったら,ベトナム戦争の二の舞になってしまう。 内外における国家の威信は回復し得ないところまで失墜するであろう。 また,イラクはどうなるのか。 反動でおそらくこれまで以上に悲惨なことが起こるだろう。
 戦争は,始めた以上は辞めるのでなく何が何でも終わらせなくてはならない,というのがマケイン氏の主張するところだ。 父の轍は踏みたくないに違いない。
 

 マケイン氏の戦争観と は, 『ひとたび戦争を始めたからには,絶対に半端で終わらせるべきではない』 ということだ。 戦争を始めたからには絶対に勝たなくてはならないし,当 初の目的を達成するまでは絶対に辞めてはならない。 負け戦ならいざ知らず,勝ち戦を財政難だからといって途中で放棄してしまったときの損失は計り知れな いという。 つまり戦争とは,国益のために行う外交の一形態であり目的達成が第一であると考えているわけだ。 その為に多くの人が死ぬわけだが。

 世界の政治と軍事情勢の裏も表も見てきたマケイン氏にしてみれば,オバマ氏などはリクツでは正しいことを言うけれど何もわかっていない青二才にしか見えないのだろう。 マケイン氏のことを知れば知るほど,辛抱強く待ち続けた徳川家康のことを連想してしまう。 また,『戦の一文字を忘れるべからず』 と言った西郷隆盛氏のことをふと連想する。 いずれも外交と戦争というものの性質を知り尽くした人だ。 
 
 オバマ大統領なら 『話せばわかる』 的雰囲気があるが,マケイン氏には無い。
 世界の国々にしてみれば,オバマ大統領の方が歓迎されるに違いない。
 マケイン氏が大統領になると,アメリカはまた脅威の国となる。
 どちらがアメリカにとって国益なのかと考えると,難しい。


 日本では,マケイン氏が大統領になることを前提として,麻生氏が総理に就任した。 また,マケイン氏のバックには,ニクソンを中国に送ったキッシンジャー氏がいる。
 オバマ氏か,マケイン氏か。 どっちに決まったとしても,アメリカは今の危機を乗り切るんじゃないかという気がする。 世界に多大なダメージを与えて。


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<米大統領選>ミシガン州撤退にペイリン氏、不満あらわ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081006-00000019-mai-int

East of Eden (John Steinbeck)

 “The Grapes of Wrath” と並ぶスタインベックの代表作。 筆者の故郷であるカリフォルニアのサリナスを舞台に,人間が人間たる所以とは何か,愛と憎しみとは一体何かということを描いた長編。
 この長い物語を通じて筆者は,人間の自由な意思というものの大切さを伝えようとしていた。 人が長い人生の中で幾度か体験する “きらめきの瞬間” というのは,自由な心があってこそのものである。 この心のきらめきを抑圧したり,妨げようとするもの,あるいは自由な意思を潰したり,破壊したりしてしまうものは,それが国家であれ,宗教であれ,体制であれ,何であれ,断固として抵抗し闘うべきだ,と筆者は述べている。
 
 スタインベックの物語の多くにおいて,その
主題と平行して侮蔑感情だとか人種的偏見や差別というものが描かれている。
 この物語ではリーという中国人召使が登場するのだが,彼に対する白人達の発言の随所に,あからさまな差別意識がみられる。 人間というのはもともと差別をする生き物なのだ,と言いたげな何ともえげつない描写が,またいかにもスタインベックらしい。 もちろん,
世の中にはそういう先入観を抱かない人々もたくさんいる。
 筆者はリーを通じて人間を観察し,彼の口を介して筆者の視点や考えを代弁させているのだが,彼を使ってひとつの実験も行っている。 物語の序盤で,リーをコテコテの中国訛りで話す人として登場させ,読者にそれなりの先入観を与えようとしている。 そして物語を通じて先入観や偏見みたいなものをどんどん破壊してゆき,最後には仲良しになった白人の娘にリーを抱擁させ,頬に接吻までさせる演出をする。 このとき読者の中でどういう変化があるのかについては,自分が実際に偏見を抱く立場に立ってみないとわからないかもしれない。

 この小説の題名である 
『エデンの東』 というのは,旧約聖書でカインが罪を背負って彷徨い生きてゆく場所のことだ。 筆者はカインアベルの物語こそが,ありとあらゆる人間ドラマの原点だと語っている。
 
創世記の第4章にて,カインは神を愛するあまり,神に贔屓されていた弟のアベルを嫉妬し,彼を殺してしまう。 このとき人間は 『愛』 と 『憎しみ』 という感情を初めて体験するのだが,まさにここから人間の歴史が始まると言ってもいい。
 カインが楽園から追放されるとき,ヘブライ語で書かれたオリジナルの聖書では神は 
“You may (~してよろしい)” という言葉を使うのだそうだ。 『~してもよい』 という言葉は命令ではなく,許可であり,意思を尊重して選択肢を与えんとする言葉だ。 つまり神はこのときに初めて人間の意思というものを尊重したことになる。 楽園を追放されたカインが自身の意思でもって罪を背負い彷徨いながら生きてゆくエデンの東・ノドの地とは,すなわち 『人が生きる世界』 ということなのだろう。 

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2008年10月1日水曜日

めっき剥げまくりのサラ・ペイリン副大統領候補

 サラ・ペイリン氏がインタビューされるようになってきて,あちこちでどんどん失態をさらしている。
 彼女がブッシュ政策がどういうものだか答えられなかった話はあまりに有名だ。
 また,彼女の外交経験に関する基盤は 『アラスカがロシアに近いから』 ということにあるんだそうだ。

 CBSによるインタビュー
 

 まるでしどろもどろだし,一体何が言いいたいんだかよくわからない。
 アラスカがロシア,カナダと国境を接している,などと自分で言い出しておきながら,論理が破綻して話が続けられなくなり,

 “Ah, I don't know. You know.”

 なんて言っている。
 愛敬はあるかもしれないが,あんまり頭脳明晰な人では無い。
 彼女の話には飛躍が多く,論理性が皆無であり,むしろ信仰に近い。
 まるで宗教に勧誘する人みたいである。
 
 インタビュアーの女性の方がはるかに副大統領に適しているように思う。


 共和党がペイリン氏を選んだときは, 『すごい人選だ!』 とか思った。
 しかし蓋をあけてみたら,マケイン候補にとって最大のお荷物でありブレーキになってしまったようだ。
 ちょっとマケイン氏が可哀想だ。

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 サタデーナイト・ライブで,ペイリン氏のパロディーがされていたが,結構笑えた。
 
 副大統領候補、美人コンテスト出場時のビデオを拝見
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080930-00000002-wvn-sci
 

2008年9月25日木曜日

出産女性に対する根強い偏見

 まるで出産したら体型がくずれるみたいなふうな考えが当たり前のようにまかり通っている。 あたかも出産することで女性らしい美しさが損なわれる,というような書き方が,公の記事で当たり前のようにされている。
 これらは明らかな女性に対する偏見である。

 私の知るかぎり,出産前に美しい体型だった人が子供を産んだがために体型がくずれた,なんて人はいない。 産後しばらくすれば元通りだ。 そりゃ,加齢による変化ぐらいはあるだろう。

 『篠原涼子,出産後も変わらぬ美脚を披露!』 だなんて書いてたりするけど,これは変だ。 なんで出産したら美脚が損なわれなくちゃならないんだろう。
 『出産』  『女性の美しさ』 とが互いに相反するものだという考え方そのものが既に偏見だと思う。


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 体型維持の秘訣は「赤ちゃん抱っこでスクワット」
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080925-00000005-oric-ent

 

2008年9月10日水曜日

質問に答えられないペイリン氏

 こないだのペイリン氏のスピーチが好評だった。

 確かに彼女のプレゼンにはインパクトがある。
 だけど,ああいうスピーチの内容そのものは別に本人が考えたわけではなく,ちゃんと台本を書く専属の人がいる。 それはオバマ氏だってそうだ。
 選挙戦に勝つためにプロが練りに練った内容なわけだから,スピーチの内容だけではその人がどういう考えをもった人なのかということはなかなか伝わってこない。 それに,スピーチなんて練習すればいくらでも上手くなる。
 むしろ,聴衆や記者団からの突っ込んだ質問に対して,どういう返答をするかで候補者の本当の意味での真価が問われる。

  オバマ氏やクリントン氏が移動中の飛行機の中で記者団からの質問に答えている映像は,よく目にした。 ひとつひとつの質問に対してちゃんと向き合って対応 し,自分の言葉でもって回答している。 それは民主党の副大統領候補のバイデン氏もそうだ。 そういうところに彼らの政治家としての実直さと誠実さが感じ られる。


 一方,ペイリン副大統領候補は,台本がないと質問に答えることが出来ないらしい。

 No questions, please; Palin sticks to her script
 http://www.forbes.com/feeds/ap/2008/09/09/ap5406235.html


 そういえば,彼女が聴衆や記者団と向き合って対話しているという姿は,あまりみたことがない。
 移動の飛行機内でも,彼女への政策等に関する質問は一切お断りなんだそうだ。
 彼女が質問を受け付けるのは,候補者としてもうちょっと落ち着いてからなのだそうだ。
 要するに,まだお勉強中ということか。

 彼女のスピーチの内容そのものも,アメリカ人の誇りだとか栄光だとか,戦争に勝つだとか,そっち方面のことばかりで,オバマ氏やクリントン氏のそれと比べると,はるかにレベルが低い。 彼女の言わんとすることは,日本の街角で軍歌を流しながら徘徊している黒ずくめの右翼団体と本質的に何ら違いは無いように思う。
 あるいはオバマはダメだとか言うだけで,政策に関して具体的なことは何一つ触れていない。
 アドリブも利かないらしく,聴衆が即興スピーチをせがんでも,にこにこ笑うだけなのだ。

 結局,サラ・ペイリン候補というのは,独自の哲学や政治手腕を評価されて選ばれたのでなく,単に選挙戦のマスコットとして選ばれたのだ。

 
 オバマ氏とクリントン氏の舌戦は,醜い面もあったけど,それなりにレベルが高かった。
 両者とも国家と政治に対する誠意で満ち溢れていたし,透明で爽快感のある両者の話しぶりには,私のような外国人にとっても心地良いものがあった。
 
 これでオバマ氏が負けたりしたら,アメリカにはきっとバチがあたる
 ペイリン氏のおかげでマケイン氏が勝つことになれば,それは 『アメリカ人の大半は馬鹿である』 ということを世界に喧伝するようなもんだ。 

 
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 ちなみにペイリン氏は,マケイン氏に追随してアラスカ沖の海底油田の掘削を提唱している。
 それでもアラスカ州民はペイリン氏を支持するのだろうか。 
 馬鹿じゃなかろうか。 私には信じられない。

2008年9月5日金曜日

サラ・ペイリンと,ヒラリー・クリントン

- 2008/09/05(Fri) -
 マケイン氏が指名した副大統領候補のペイリン氏が全米で注目されている。
 とても美しい女性なので,私も注目してみた。
 “満塁ホームラン” と賞されたスピーチも聞いたりした。

 だけど,私は,あんまりこの人は好きではないらしい。
 スピーチはすごく上手だし,おしゃべりも得意なのだろうと思う。
 だけど,とにかく私はあんまりこの人は好きではないようだ。

 Palin slams Obama
 

 外国で暮らしていると,人を見る特殊な目がとくに養われるように思う。
 人を見る目といっても,別にその人の能力だとか,知性や性格とかを見極める目というのでなく,単に  『この人となら,話が出来る』  『この人は,私の話なんかには耳を貸してはくれないだろう』 という直感みたいなものだ。
 ただの相性といえばそれまでだし,べつに日本にいたって養われるものなのだが。
 私の場合とくに 『外国人や異文化に対して,どういう反応をしめす人なのか?』 ということに関して,かなり敏感になったと思う。 顔を見た瞬間,会った瞬間にそれがわかるような気がしてしまう。 ただ,顔写真だけではわからない。

 相性というのは性格とか体質の相性ばかりでなく,知性の相性のようなものがある。
 話を聴いているだけで気分良くなってくる人もいれば,話している顔や呼吸,表情を見ているだけでムカムカしてくるような人もいる。
 ペイリン氏のスピーチを聴いていると,私はなんだかムカムカしてくる
 何故ムカムカしてくるのだか,うまく言葉に出来ないのだけど,彼女の言葉のほとんどが,Frankfurt 氏が述べるところの典型的な Bullshit だからだと思う。
 仮に立食パーティーなんかで同席する機会があったとしても,この人にはあんまり近寄りたくないな,という気がしてくる。 向こうも私など相手にしてはくれないだろうけど。

 ちなみに元ニューヨーク市長のルディー・ジュリアーニ氏も,私は大嫌いだ。 とくに理由はない。 テロがあった頃から何故だかあの人は嫌いだった。 あの独特な笑顔をみていると,なぜか背筋が寒くなる。



 女性ということで,すっかりクリントン氏からペイリン氏へと視線が映った感じだが,私はヒラリーさんがすごく好きだった。
  ヒラリーさんなら,私の話でも聴いてくれそうな気がするし,もしパーティーで同席する機会があったら,躊躇せずに近寄って行きたくなるような人だ。 この 人なら話がわかる,私の話にも耳を傾けてくれる,というような気がしてしまうのだ。 ただそれだけのことなのだが,今でもヒラリーさんが舞台から降りざる を得なかったことは残念に思っている。 
 

 マケイン氏が大統領,ペイリン氏が副大統領になったら,なんだかイヤだなあ,と本気で思ってしまう。 米国市民でもないのだから,こんなことを気に病んでもしょうがないのだが。
 ああ,いやだ,いやだ。
 

2008年8月30日土曜日

オバマ氏負けたかも

 共和党のマケイン氏が選んだ副大統領候補は,アラスカ州の女性知事だった。
 サラ・ペイリン (Sarah Palin) 氏。
 すごく知的で美しく,表情もいい。 若い。
 人相がよく,性格も良さそうにみえる。

 McCain's veep choice is historic and hardly known
 http://news.yahoo.com/s/ap/20080829/ap_on_el_pr/cvn_veepstakes_palin

 すごい人選だと思う。
 これでヒラリーさんを die-hard に支持していた “女性票” が,少なからずマケイン氏の方に流れるだろう。

 いや,女性票だけじゃないかもしれない。
 オバマ氏のスピーチも,何度も聞いていると正直飽きてくる。

 <米大統領選>実態は「薄氷の結束」 民主党大会閉幕
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080829-00000129-mai-int


 この選挙,マケイン氏が勝つような気がしてきた。

 民主党のオバマ陣営は 「やられた!」 と思っているんじゃなかろうか。 
 そして,数年後には,サラ・ペイリンさんが初の女性大統領になったりして。
 あるいは,かつての田中真紀子さんのように,票集めに利用されるだけなのか。
 ミエミエといえば,ミエミエだ。

 大統領選のキャンペーンとほぼ同時期に始まった原油の高騰だとか,ついこないだのグルジアでの危機,ロシアとの緊張,あるいは,ちょっと前の南米での危機のことを思い返すと,どれもこれもみんなアメリカ人の恐怖感を煽るために共和党が工作して仕組んだんじゃないか,という気さえしてきてしまう。
 

2008年8月21日木曜日

国紹介にみられる韓国という国の可憐さ

 Yahoo! USA の北京五輪特集で,参加国についての簡単な記述がある。

 たとえば,日本の場合
* Largest city: Tokyo
* Official languages: Japanese
* National languages: Japanese
* Total area: 145,883 miles² (377,835 km)
* 2008 Estimated population: 127,288,419 people


 韓国を,何気に見てみた。
* Largest city: Seoul
* Official languages: Korean
* National languages: Korean, English widely taught in junior high and high school
* Total area: 38,023 miles² (98,480 km²)
* 2008 Estimated population: 49,232,844 people

 こういうとこに 『中学高校で広く英語が教えられています』 なんてわざわざ書くあたり,可憐というか,なんと言うか。
 以前,マレーシアの人に 『英語は勉強したの?』 と訊いたところ, 『英語は,ほとんど公用語みたいなものです!』 って誇らしげに言われたことがあったが,それと似ている気がする。 
 他民族言語が公用語に近いことを誇らしく思う感覚は,おそらく日本人には無いであろうし,あってはならないと私なんかは思うのだけど,そこらへんは感覚が違うのかもしれない。 日本が他のアジアとは一線を画していると,日本人が信じたがる最大の理由はこういうところだろう。


 英語のことはいいとして,それにしても韓国は人口において日本の半分に満たない国家なのに,それでも獲得メダル数で日本を上回っているというのは凄いことだ。
 
 
 明日,野球で日本対韓国戦がある。
 韓国が全勝で,こないだの世界野球とよく似た展開だ。
 今度こそは,日本に絶対負けまい,と相当な気合が入っているに違いない。

 燃える男率いる日本野球チームがどう戦うか,楽しみだ。

2008年8月16日土曜日

しこりが残りそうな北京五輪

 私はあんまり観ていないのだが,今回のオリンピックは中国がぶっちぎりで強いようだ。
 金メダルの数だけみれば,あのアメリカの倍くらい獲っている。
 中国にしてみれば,最高の五輪だろう。

 ただ,北京オリンピックは,いろんな意味で後味の悪い五輪になりそうだ。
 開始前から,チベットのことやら聖火リレーやらで世界中からああだこうだと言われ,開会式のことでもいろいろ言われている。

 そして,今,アメリカのメディアでさかんに言われているのは,中国女子体操選手の年齢詐称疑惑だ。
 IOCの規定では,パスポートに記載された年齢でもって判断することになっているのだが,過去の競技記録と違う年齢であることから,アメリカのメディアが中心になって疑問視している。

 How old are China's gymnasts?
 
 疑問視するだけならいいが,それに乗じて,アメリカ側からは偏見に満ちたコメントが続出している。

 『どう考えてもあれは16歳以上の体型ではない』

 『あれは小人集団だ (half people)』


 などと,もう,言いたい放題だ。 負けたからって・・・
 もし彼女らが本当に16歳以上だったと証明されたら,アメリカ側は一体どうやって発言を撤回して謝罪するつもりなんだろう。
 明らかにこれは人種的偏見に根ざしたものであり,選手の人間性を無視した問題発言とも受けとれる。
 また,決定的な証拠が無いうちから,大声でこういう偏見に満ちた発言をしていれば,相手に弱味を握られるだけであり,勝てる喧嘩も負けてしまうだろう。 選手は大きな心の傷を負った,名誉毀損だ,などと逆に責められるんじゃなかろうか。

 ただ,こういう疑惑が持ち上がる背景には,中国政府に対する不信感があるのも事実だ。
 パスポートというのは国が発行する。


 また,スペインのバスケットボール・チームの集合写真も問題になっている。
 龍の絵の上で,選手全員がツリ目にしたポーズをとっている。

 Spanish basketball red-faced over slit-eyed Olympic photo

 Beijing Olympics: Second Spanish team photographed making 'slit-eyed' gesture

 本人達は何の気もないのだろうけど,これは人種的偏見に満ちたジェスチャーとも受けとれ,先進国人のすることではない。
 少なくとも私ならムカつく。
 やっている奴らを片っ端から捕まえてギタンギタンにしてやりたくなる。


 いろんな意味で火種やシコリを残す五輪になりそうだ。
 うーん,シコリ,シコリ。

2008年8月3日日曜日

新幹線車内でのおむつ換え

 東京から新潟に向かう新幹線に乗ったときのこと。
 平日の昼間だったせいかガラガラで,指定席も簡単にとれた。

 乗車したとき既に娘のおむつがオシッコでパンパンだったので,私は娘をつれて隣の車両に多目的室へ向かった。 左手に新品のおむつ一枚とワイプ数枚,右腕に娘を抱いて。

 およそ一畳半くらいの多目的室には,おむつ換え用のベッドと,授乳用の固定イスがあり,設備としては申し分なかった。 ただ,なぜかエアコンが来てなくて,すごく蒸し暑かった。
 おむつ換えなんて一瞬で済むからいいけど,この暑い中で授乳するのはさぞや大変だろうな,と思ったりした。


 おむつを換え,スッキリご機嫌の娘を抱いて意気揚々と通路に出たところで,乗務員に呼び止められた。

乗務員 「ちょっと,お客さん! ちょっと!」

やた 「はい?」

乗務員 「これはね,女性専用の設備なので,男の人が使うのはちょっと遠慮してもらいたいんですよね」

やた 「え? なんでですか?」

乗務員 「あのね,ここはお母さんが赤ちゃんに授乳したり,おむつを換えたりする場所ですんでね。
   お母さん方に快適に乗車していただきたいための設備でして,男の人はなるべく使わないでいただきたいんですよ」

やた 「これ個室なんだから,母ちゃんだろうが父ちゃんだろうが,どっちが使ったっていいじゃないですか?
   それとも育児する父ちゃんは,わざわざ小便臭い便所の方でおむつ換えしろ,ってことですか?」

乗務員 「本当に,おむつを換えられてたんですか?」


 乗務員は私が育児カバンなど持たずに手ぶらで赤ん坊を抱いているのを,疑り深い目でじろじろ見ていた。

 私は,カチンときた。 (貴様,おむつ換えなんて,したことねえだろう?) 
  そりゃ,一刻も早く授乳したいという母親と鉢合わせになっていれば当然譲ってあげただろう。 だけど誰も使ってなかったわけだし,誰も待っちゃいないのだ から,誰が使ったっていいじゃないかと思った。 生オッパイの出ない男が使ったという,ただそれだけのことでいちいちイチャモンつけられるとは何事だ。  それとも,何か。 これは育児をする人のためのサービス設備ではなくて,女性のための設備なのか? 
 だいたい,こんなふうに多目的室の前でだらだら説教する方が,よっぽど利用者の邪魔になる。
 ムカついた私は,およそ上記のことをまくし立てて,妻と坊が待つ自分の席にもどった。


 私が冷たいビールを飲んでいたら,その乗務員が我々の座席までわざわざ謝りにやって来てくれた。
 さすが日本。
 帽子をとって丁寧に言い訳をしてくれたので,こちらも恐縮してしまったのだけど,聞いてみると,要は男性がおむつ換えすることは稀なので,ついつい最初から不正利用者だと疑ってしまったらしい。
 なんだそりゃと思いつつ,私も  『いえいえ,さっきはなんか強く言い過ぎちゃって,どうもすみません』 などと謝っていた。
 いろんな意味で,日本に来たんだなあ,としみじみ実感した。

2008年4月20日日曜日

宗教と科学

 宗教と科学が互いに相容れないものだと考えている人が多いような気がする。
 それは,宗教と科学のどちらかをあまり理解していないからだと思う。 


 科学というのは,事実と論理で成立するのだから,宗教や国籍,文化風習に関係なく,論理や数式を理解しさえすれば誰もが参加できるものだ。 つまり,誰に対しても正しいものだ。 
 ただし,科学が万能である,というわけではない。 この世で科学的に解明されていることなんて,ごくわずかなんじゃなかろうか。 あくまでわかっている範囲で正しいと言っているだけのことであって,わからないことは,わからない,ということを忘れてはならない。 

 たとえば 「宇宙人がいるという証拠が無いから,宇宙人なんて存在しないんだ」 というようなリクツを言って,あたかも科学の信奉者であるかのようにふるまう人がいるが,それは間違っている。
 証拠が無いことに対しては, YES とか NO という決断は下せない。  “わからない” としか言いようがない。
 「幽霊はいるか?」 と訊かれれば, 私自身ならば脳のはたらきで幽霊がみえたりするんじゃないかと推察するけれど,本当に幽霊がいるのかどうかは, 「わからない」 としか言いようがない。


 北朝鮮と日本の 「遺骨問題」 なんて,格好の例だ。
 日本側は, 「DNA鑑定の結果,横田さんの遺骨であるという証拠が得られなかった。 だからこれは横田さんの遺骨ではない」 と言っていた。
 が,これは大きな間違いである。
 証拠が出ないものは,わからない,としか言いようが無いのであって,そこから否定的な結論を下すことは出来ない。
  日本側は北朝鮮に対して圧倒的な科学力の差を見せ付けることで,交渉を有利に進めようという意図があったようだが,むしろ,日本のマスコミも日本の政治関 係者も,あるいは自称・世界最高水準の研究機関も,科学や論理的思考というものに疎いということを世界に宣伝しただけに終わったように思う。



 これに対し宗教というものは,一言でいえば人がもつ体系化された信念みたいなもので,科学が到達しえない領域での物の見方や,考え方,モラルや生きる指針となるものだ。 それを真理と呼べるなら,そうかもしれない。
 私自身のことを言えば,私は神様はいると思っているし,いつも神様の視線を気にしながら生きている。
 科学の法則は人が存在しなくとも成立するけど,宗教は人の心がなければ存在しえない。 民族や文化によって信じるものが違ってくるのは当然だし,個人個人でもずいぶん違うと思う。 全人類において絶対的に正しい宗教などというものは存在しえないはずだ。 


 人類を一個人にたとえたならば,宗教というのは問答無用の親のしつけみたいなものであり,科学はその人が長い人生で自分自身で経験して学んだものだ,ともいえる。



 ところが,宗教の中には,科学の名を語るものがあったり,科学の分野に執拗に干渉してくるものがあったりする。 
 『科学が誰に対しても正しい』 ということや, 『科学は万能であるという誤解』 をうまく利用して,結局のところひとつの思想や宗教が絶対的に正しいのだ,と言わんとしているかのようだ。
 私はそういうのはかなりの悪だと思っている。 科学も宗教も本質をよく理解していないくせに,両者についてワカッタようなフリをしており,それでもって人々の考えを画一化させたいだけの,レベルの低いくだらない発想だと私は思っている。
 いつまでも子離れできない親よりタチが悪い。

2008年4月17日木曜日

Expelled: No Intelligence Allowed (2008)

 私はまだ観たわけではないが,大体想像がつく。
 この世界が神様によって設計されたものか,そうでないかという, いわゆるインテリジェント・デザイン (ID) の話だろう。 『神様』 という言葉をどう定義するかによって,そんなの何とでも言えるさね。 実に馬鹿馬鹿しい。

 神様を,あたかも人格のようなものをもつ大いなる意識のようなものだ,と言った時点で,そこにその人の 『空想』 と 『決めつけ』 が入る。 空想を根拠にした時点で,もはや論理が成立しなくなる。  説明のつかない現象を 『心霊現象』 だ,とか 『宇宙人の乗り物』 だ,などと言うのと本質的に変わらない。 

 空想するのは個人の自由だけど,それでもって世の中の万物事象を説明しようとするから,なんだか話が変になるし,えてしてそういう人は事実よりも空想から導いた結論を重視するから物事が厄介になる。
 たとえば何もないような絶海の孤島に少数の物知り多数の無知な人が いたとして,両者が議論すれば,無知な方が確実に有利になる。 『そんなの知らない』 『ありえない』 『誰も聞いたことない』 『だったらここで証明し てみろ』 と言われた時点で,物知りはいつか反論できなくなるからだ。  絶海の孤島を 『日本』 『アメリカ』 『地球』 と置き換えてもいい。

 よく 『この世には科学で説明できないことがたくさんある』 というけれど,そんなのあたりまえだ。 科学は,人類がかき集めた事実の蓄積に基いて世の中を説明しようとするものであるから, わからないのは,まだわからない,としかいえない。
 わからないからといって,それを未知なる存在だか大いなる意識だかの所為にして,そこで思考を停止させ,それで物事がワカッタ気になることを,BAKA という。


 http://www.expelledthemovie.com/

 反論サイト

2008年2月12日火曜日

バラク・オバマ氏の演説 (2月12日 @ウィスコンシン大学, マディスン)

 『希望とは,盲目な夢のことでない』
 『希望とは,簡単に手に入る夢のことではない』
 『希望とは,困難に立ち向かうことだ』

 オバマ氏の演説はすばらしい。
 心酔してしまった。

 


 米大統領選 広がる「オバマ旋風」 集会はどこも超満員
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080213-00000001-maip-int

 首都圏決戦はオバマ氏勝利、代議員数でも逆転
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080213-00000015-yom-int

 
 追記:
 オバマ氏希望とか未来を強調しているのに対し, 共和党のマケイン氏の主張には,かつてマイケル・ムーアその映画で指摘してきているとおり,常に対外恐怖感が基調になっている。 そして何よりマケイン氏のスピーチは,暗く,覇気が無い

 クリントン氏の掲げる主張はオバマ氏とは多少違うが,目指すところは一緒だ。 彼女の真正面から問題に向き合う姿勢も,明るいスピーチも大変好感がもてるものだ。
 ただ,オバマ氏との決定的な違いは,自分が  『有能な事務処理者』 であることが主張の基調になっている点だろう。

Rambo (2008, ランボー・最後の戦場)

 スタローン脚本・監督・主演作品のランボー最新作 (ランボー4) を観てきた。
 あれだけクソミソに書いた以上は,見なければならない。

 予想どおりの内容であったが,斜に構えなければ,結構面白かった。
 スタローンは,監督としても脚本家としても,決して悪くない。
 銃撃戦のブレたような緊迫した映像は,ちょっとプライベート・ライアンの二番煎じ的な面もあるが,それはあの映画が傑出しているからなのであり,それはしょうが無い。

 殺るか,殺られるかの手に汗握るスリリングな展開の中,アメリカ人を救出するべく立ち上がったジョン・ランボーの大活躍であった。 ただ,ターミネーター2のシュワちゃん同様, 『ランボーなら,絶対に大丈夫!』 という気分があるために,緊迫感の中にも妙な安心感は常にあったのは否めない。

 無口でクールで朴念仁なジョン・ランボーは,口達者で理想を言ってばかりのインテリ・アメリカ人を一喝して,

 『ごちゃごちゃ言ってんじゃねえよ! こうやるんでぇ!』 

 と言わんばかりに,無言であっという間に問題を解決してしまう。 “問題解決” とは,すなわち, “悪者は皆殺しの刑” というものだ。 実に単純明快で,わかりやすい。
 男の中の男なら,この映画をみれば戦争に行きたくなるであろう。
 十代の私なら,きっと感化されたに違いない。


 斜に構えれば,文句はいくらでもある。
 いちいち書くのも,もう面倒だが。

 舞台はミャンマーだが,こういう善と悪がくっきり明瞭な情勢には,この手の映画製作者が飛びつきたがるのは言うまでもない。 序盤でミャンマーでの本物の映像が断片的に使われていたが,カメラマンの長井さんが撃たれたシーンも含まれていたように思う。 これは5月に日本で公開されたときに物議をかもしだすのではないかと思うが,どうであろう。


 悪いミャンマー人と良いミャンマー人がいて,良い方 (英語を話す方) だけに人格を与えているのは,昔のベトナム戦争映画と一緒だ。 悪い奴らは醜く下品で非人間的に描かれているので,殺傷することに罪悪感を感じさせない。 要するに,悪いミャンマー人をランボーが片っ端から殺戮するというのが,この映画の主旨だ。
 もちろん,人質救出という名分があるのだが。


 ラストは,ランボーが故郷の牧場に帰るシーン。
 それはアメリカ国内の豊かさと平安, “Home, Sweet Home” を象徴したかのような景色である。 外国の国土や人々をあれだけ目茶目茶にしておいて,虫がいい話だな,と思ってしまう。
 圧倒的な軍事力のアメリカが “悪の枢軸” に制裁を与え,世界の平和を維持すべきだ,と本気で考えている一部の共和党支持な人達にしてみれば,そこはまさしく “GOD BLESS AMERICA~♪” と歌いたくなるようなアメリカ母国の平和を象徴する景色であった。 


 
 映画を観た後で,ふと思ったのだが,こういう映画で 『人を救う』 というのは,それはすなわち 『囚われになったアメリカ人を救出すること』 である。 これに対して,圧政に苦しむかよわきミャンマーの人たちを助けようとする精神というのは,人間を救出するというよりも,むしろ, 『可愛そうな野生動物を救ってあげよう』 とする精神に近いんじゃなかろうか,という気がした。 一言で言えば,大変おこがましい。
 もちろん実際に命を削って救援や取材活動を行っている人々のことを言っているのではない。


 <ランボー>最新作、ミャンマーで上映禁止…海賊版が人気
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080207-00000072-mai-int
 
 『ランボー 最後の戦場』ヒロインが激白!スタローンは「常にベストを尽くせ!」と喝!
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080201-00000020-flix-movi

 
スタローンの台詞を聴きとるのが,すごく困難でした。
 
 「うぇどぶぇ どぅれぶ どれどぶ・・・」

“ランボー4” の援護

 前回のレビューがあまりにうわべだけの批判ばかりになってしまっていたので,少し訂正したい。

 戦いが終った後のランボーの複雑な表情が,一体何だったのか考えていた。

 映画の中で,ランボーは好き好んでミャンマー人に制裁を与えようとして殺戮したのでなく,あくまでも捕虜にされたアメリカ人グループを救出するためのものであった。
 また,ああでもしないと自分が殺されてしまう。

 ボランティアでミャンマーへ救済に来たアメリカ人に向かってランボー何度も何度も言う。

 『あなた達がいくら頑張っても何も変えることは出来ない』

 『アメリカ人はアメリカに帰れ』

 アメリカ人が他国の内政に干渉したところで決して良い方向に動くものではない,助けるつもりで,結局,血で血を洗うような争いをひき起こすだけなのだ,ということを言いたかったのか,ということに気づいた。

 それがランボーの大暴れと,最後に見せた悲しげな視線だったのだとすれば,この映画の意味するものがやっと理解できた気がする。

 それにしても映画のダシにされたミャンマーの人々こそ,いい面の皮であることに変わりは無い。