2008年10月15日水曜日

カラストンビ (イカのクチバシ) からわかること - 2008/03/28(Fri) -

 イカの口は,するどいクチバシ状になっている。
 『からすとんび』 とか 『とんびがらす』 と呼ばれる珍味は,このイカのクチバシを動かす筋肉の燻製だ。
 この筋肉塊は軟体動物特有の口球 (buccal mass) とよばれ,獲物を捕食するとき強力な噛力を生み出す。

 ふつう,アゴのある動物には,それを支える骨格があるのだが,軟体動物のイカには骨格がない。 
  だから,イカのアゴであるクチバシは特殊な構造をしていて,先端はすごく硬いのだが,根元に近づくにつれて徐々にだんだん柔らかくなっている。 このおか げで噛みついた獲物には大きなダメージを与えられるけれど,自分の体が硬いクチバシによってダメージをうけることは無い。
 こんどスルメやカラストンビを食べることがあったら,よく観察してみるとよい。

 イカのクチバシのように,硬い材質から徐々に柔らかい材質へと移行していくような素材は,インプラント医療なんかで大変重宝されるだろう。 たとえば体と接する部分を柔らかく,先端に行くほど硬くなるような材質は,義手や義足には理想的だ。
 だが,いざ人工的に造るとなると,意外とこれが難しいものらしい。

 イカのクチバシの研究に,アメリカの国立生命医学研究所 (NIH) から多大な研究費が助成されている。

 Squid beaks may have medical application
 http://news.yahoo.com/s/ap/20080327/ap_on_he_me/squid_beak

 

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