日本は仏教の国とか,八百万の神の国とか言われる。
もちろん神道や仏教の教えを真摯に信ずる人もいるけれど,しかし,日本人の多くにとってこれらは信仰というよりも,むしろシキタリや慣習,儀式であるように思う。
たとえばお墓参りや初詣など人々は真剣に祈ったりするけれど,墓参りなど厳密にいえば元々の仏教の教義には無いものだったはずだし,ご先祖様が自分を守ってくれるという発想は仏教よりもむしろ原始宗教に近い。 神社で賽銭を投げて祈っているのは神道が示すところの神様に対してではなく,むしろ神社のイメージに沿って自分の想像で創り出した神様に対する祈りだ。 神社というのは,むしろそういう個人の祈りの場を提供しているにすぎない。
このように個人個人が感じる神様や守護神のようなものの存在を信じるとき,それを casual mysticism と呼ぶらしい。 日本人の多くは無宗教だというけれど,要するに casual mysticism の信者ともいえるのだろう。
Do You Believe in Angels?
キリスト教では,天使といった場合,それは神の使いである。
すでにこの世を去った人が自分を守ってくれている,という発想は,イエスの教えには無い。
ところが,キリスト教国のアメリカでも実に多くの人が,日本人と同じように自分の親や祖父母の霊が自分を助けてくれていると感じたり,あるいは昔飼っていたペットが今でも自分を守ってくれていると信じているのだそうだ。
こういう守護神のことを,Guardian Angels と呼ぶらしい。
そういえば,トム・ソーヤーを書いたマーク・トウェインは, 『宗教』 のことを 『心の中で本当はそうは思わないことを,信ずること』 と定義していた。
宗教の教義などよりも,人は自分が感じたものを信じたいのだろう。
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4 週間前
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