私は基本的に動物モノは自らすすんでは観ない。
だけど坊が 「みたい,みたい」 というので,観てきた。
そしたら案外面白かった。
大富豪に飼われ裕福な生活を送っていたお嬢様チワワが,ひょんなことでメキシコに連れていかれてしまい,そこで悪者にさらわれてしまうという話だ。 なんとかビバリー・ヒルズに帰ろうとして,いろんな犬や,いろんな人と出会い,助けられ,世の中を知ってゆく。
いかにもディズニーらしい 『人種的偏見を無くそう』 というテーマも多分に込められていた。
この映画のテーマは,人というのがいかに眼前の世界や物事の本質を見ることなく,アタマの中に構築した先入観でもって物事を決め付けているか,ということだった。
大富豪に雇われているガーデニング職人の男に向かって,留守番を任された女性がおもむろにヘタクソなスペイン語で話しかけるというシーンがあった。 土い じりする職業の人は当然メキシコ人だろう,という先入観があるということだけど,これほど失礼な話は無い。 社会の一員になろうとしている人間に向かっ て,言葉を交わす前から 『お前はヨソ者だよね』 と決めつけているからだ。 海外旅行ぐらいしか行った事のない日本人には,この感覚はなかなかわかりに くいだろう。 日本に住む外国人が 『ガイジン』 と呼ばれるのをあまり好まないのと,ちょっと似ているかもしれない。
私が一番面白いと思ったのは,愛玩犬のケアのために湯水のごとくカネを使う大富豪達の姿だった。
まるで徳川綱吉の世界だったが,今の経済危機を予見して皮肉を込めて描いたかのような演出だった。
レーティングこそ低いけど,私の好きなテーマだったので楽しめた。
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