2008年4月17日木曜日

Expelled: No Intelligence Allowed (2008)

 私はまだ観たわけではないが,大体想像がつく。
 この世界が神様によって設計されたものか,そうでないかという, いわゆるインテリジェント・デザイン (ID) の話だろう。 『神様』 という言葉をどう定義するかによって,そんなの何とでも言えるさね。 実に馬鹿馬鹿しい。

 神様を,あたかも人格のようなものをもつ大いなる意識のようなものだ,と言った時点で,そこにその人の 『空想』 と 『決めつけ』 が入る。 空想を根拠にした時点で,もはや論理が成立しなくなる。  説明のつかない現象を 『心霊現象』 だ,とか 『宇宙人の乗り物』 だ,などと言うのと本質的に変わらない。 

 空想するのは個人の自由だけど,それでもって世の中の万物事象を説明しようとするから,なんだか話が変になるし,えてしてそういう人は事実よりも空想から導いた結論を重視するから物事が厄介になる。
 たとえば何もないような絶海の孤島に少数の物知り多数の無知な人が いたとして,両者が議論すれば,無知な方が確実に有利になる。 『そんなの知らない』 『ありえない』 『誰も聞いたことない』 『だったらここで証明し てみろ』 と言われた時点で,物知りはいつか反論できなくなるからだ。  絶海の孤島を 『日本』 『アメリカ』 『地球』 と置き換えてもいい。

 よく 『この世には科学で説明できないことがたくさんある』 というけれど,そんなのあたりまえだ。 科学は,人類がかき集めた事実の蓄積に基いて世の中を説明しようとするものであるから, わからないのは,まだわからない,としかいえない。
 わからないからといって,それを未知なる存在だか大いなる意識だかの所為にして,そこで思考を停止させ,それで物事がワカッタ気になることを,BAKA という。


 http://www.expelledthemovie.com/

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