2008年11月7日金曜日

アメリカは人種差別の国か

 オバマ氏が大統領になったことが,日本でも大きなニュースになってあちこちで書かれていたけど,その中でもとくに目立ったのが 『人種差別の国アメリカ』 という認識だ。 私などは,何バカ言ってるんだろう,と思ってしまう。 日本なら人種差別なんてしない,とでも思っているのだろうか。 

 人種がごった混ぜになれば,人種的偏見が生まれない方がおかしいと思う。 それでもアメリカは 『人種的偏見をもつことが間違いである』 という 理念をずうっと前から提唱しているし,世界中から移民を受け入れ,長いこと人種問題というものに対して真正面から向き合っている。 それでようやくここま でたどりついたという感じなんだと思う。 人種問題という点に関していえば,アメリカほど世界の先端を行っている国は他に無いと思うし,今回の選挙でもま さにそのことが証明されたようなものだろう。

 日本という国では,アジア人同士であるばかりでなく,同じ日本人同士でもいまだに差別が根強く残っているという。 性的偏見に関しても日本のテレ ビをつければ愕然としてしまうほどに根強いし,まだそれが差別や偏見だということにすら気づいていない人が大多数いるというのが現状だと思う。 そんな国 にもし世界中からいろんな人種が流入したら,一体どうなるだろう。 もし外国人がこぞってやってきて,軟弱で学力の低下した日本の若者からどんどん仕事を 奪っていき,街のあちこちを異人種の人々が我が物顔で闊歩し,よくわからない言葉を話しながら日本人の扁平な顔や出っ歯や短い足を指差してクスクスと笑っ たりし始めたりしたら一体どうなるか。 日本の社会は,そういうものを飲み込んで消化できる程に成熟しているだろうか。 私はまだまだだと思う。 日本 は,まだそういう問題に直面したことすらない。

 日本人が人種差別をしないのでなく,日本社会自体がまだ人種問題に関して未熟以前の段階であり,人種について考えるレベルにすら達していないだけ だと思う。 人種的偏見というのが一体どういうものなのか実感としてわかっている人なんて,日本にどれほどいるというのだろう。 せいぜい自分が海外旅行 先で意地悪されたことがある,とかいう程度じゃなかろうか。 アメリカのことを 『人種差別の国』 などと決め付けること自体,すでに偏見に他ならないし,何にもわかっちゃいない。 おこがましいにも程があるし,まったく笑止千万だと思う。

 

 時事ニュース・ランキング

 

 「オバマ氏は日焼けしていてカッコいい」…首相発言で政界炎上
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081107-00000038-rps-soci

 


2008年11月5日水曜日

小浜町の映像

 アメリカ大統領選挙のニュースの中に,日本の小浜町の映像があった。
 
こういう映像をみるに,日本ってユニークな国だなあ,とつくづく思う。

 Obama Town, Japan reacts

 
Obama town in Japan ecstatic for namesake


 小浜 (O-ba-MA) とオバマ (o-BA-ma) とでは,イントネーションが違うことに気づいた。

 海外ニュース・ランキング 


 <米大統領選>オバマ氏演説「私たちはできる」
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081105-00000122-mai-int
 

マケイン大統領候補の最後のスピーチ

 アメリカに対する愛情の塊のような,素晴らしいスピーチだった。
 国家の方向における二つの選択肢をオバマ氏とともに掲げ,国民に選択を問うた意義と功績は大きいと思う。

 McCain's Farewell Speech 11/04/2008

 海外ニュース・ランキング 

 米大統領にオバマ氏、黒人で初…民主8年ぶりに政権奪回
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081105-00000028-yom-int
 オバマ氏勝利とブッシュ政権終焉を歓迎 各国メディア
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081105-00000041-cnn-int

 

楽しい開票速報

 ペンシルバニアやニューヨークなどの主要州を制したオバマ氏が,獲得投票人数で大きくリードを広げている。
 だけど投票数だけをみた場合,まさにデッドヒートだ。

 Political Dashboard

 マラソンとか箱根駅伝を見ているようで,面白い。 オバマ氏の得票%が増減するたびに,一喜一憂している。
 国のリーダーを決めるのにこれだけの盛り上がりを見せるとは,やはりアメリカは生命力が旺盛な国だ。

 

 海外ニュース・ランキング 

 

 <米大統領選>オバマ氏11州・特別区、マケイン氏5州制す
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081105-00000027-mai-int

軽油をつくる菌類

 パタゴニアの熱帯雨林で,軽油とよく似た化合物を作り出す菌類がみつかったのだそうだ。

 Scientists discover Patagonian diesel that grows on trees

 木の中で生育するこの菌 (Gliocladium roseum) は,セルロースを分解して起爆性をもつ炭化水素化合物を生成するらしい。 可燃性の有機物を合成する微生物は他にも沢山いるらしいのだけど,燃料として実用化できそうなのはなかなか無いのだそうだ。
 近い将来,紙くずや古材木から燃料が作られる日がくるのかもしれない。

 時事ニュース・ランキング

 

大統領選・投票日

 さていよいよ待ちに待った選挙日だ。
 公立の学校が投票会場になるため,うちの坊は学校が休みだ。 

 【米大統領選】投票始まる 日本時間5日昼にも大勢判明
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081104-00000578-san-int

 この選挙ほど,世界情勢に大きく影響を与えるものはないと思う。
 ヨーロッパ諸国はオバマ氏を歓迎するらしい。 それはそうだろう。 オバマ氏の方が話し合いにも応じてくれそうだし,なんとも与しやすげな感じがしないでもない。 一方,日本ではオバマ氏が勝った場合,マケイン政権を想定して作られた麻生自民政権とは全くかみ合わなくなるだろうから,国会は即解散,総選挙になるだろう。 早ければ今年中にに民主党に政権を譲ることになる。 日本はアメリカから距離を置くようになり,しだいに中国寄りになってゆくのだろう。

 一方,マケイン氏が大統領になった場合,そうはいかないだろう。 マケイン氏は戦争が上手いし,話し合いで妥協に応ずるような人物ではない。 彼 ほど諸外国に睨みの効く凄みのある人物は他に見当たらない。 マケイン政権になった場合,日米の軍事的な結束は継続され,これまでどおり自民党政権が続く ことになると思う。 解散はしないかもしれない。

 現時点までずっとオバマ氏リードと報じられていたが,もしマケイン氏の方が優勢だった場合,田母神氏の論文に対する国の対応も全く違ったものになっていたんじゃなかろうか,などとも思ったりする。 

 昨日はオバマ氏の祖母が亡くなられたという悲報があった。 数年前に母親も癌で亡くしている。 両者とも,今のオバマ氏を育てあげ,支えた人たちだ。 オバマ氏にしてみれば,立派にアメリカ合衆国大統領になった姿を,二人に一番見せたかったのではなかろうか。  

 海外ニュース・ランキング

 


田母神氏の見解に賛同します

 前の記事に て,戦後の日本が歴史の解釈などという実にあやふやなものを絶対的な真実であるかのように掲げていて,その点に疑問をもつ人が現れても 『責任』 だとか  『混乱』 だとかいう全く議論にならない事をブーブー言って,まるで臭いものにフタでもするように封じ込めてしまう日本の政治やマスコミの体質について 民主国家としてあるまじきことだ,と書いた。

 これと全く同様なことを,田母神氏は記者会見で言っていた。

 『これくらいのことを言えないようでは,自由民主主義の国ではない』

 『政府見解に一言も反論できないとなると,北朝鮮と一緒ですね』

 まったく同感だ。

 この読売の記事には, 『防衛省・自衛隊を混乱させたことに対する謝罪や反省の弁はなかった』 とあるが,田母神氏にしてみれば,こういう先入観のカタマリのような見解しか示せず,議論すら出来ず,ただただタブーに触れたことに対してヒステリックに反応して文字通り “混乱” するマスコミや政治家が馬鹿に思えてしょうがないのではなかろうか。

 一石を投じただけで定年退職とは,なんだか残念な気がする。
 論文の内容はともかく田母神氏のこういう姿勢に賛同する人はかなり大勢いると思うし,できればもっと若い人々がもっとこういう発言をして,大昔の土俗信仰のような日本の政治のあり方に対して徹底的に抗弁すべきだと思う。

 時事ニュース・ランキング

 

 田母神前空幕長が記者会見、スーツ姿で謝罪・反省の弁なし
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081103-00000033-yom-soci

  「北朝鮮と同じ」「村山談話に疑問」田母神前空幕長が記者会見で
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081103-00000563-san-pol

辰吉氏の新しい生きがいは?

 子供から一番のお気に入りの玩具を取り上げるようで,ちょっと辰吉氏が可愛そうだけど,JBCのとった決断は正しいものだと思う。 辰吉氏も眼に 爆弾を抱えているし,全盛期にもずいぶんパンチをもらった方だ。 ちょっとロレツが回っていないあたりをみると,パンチドランカー症状も深刻なのではなか ろうか。

 辰吉 タイでの試合不可能なら引退も
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081103-00000082-sph-spo

 ただ,辰吉氏にとってはボクシングだけが唯一の生きがいなのだろうし,やるからには生涯現役でいたいのだと思う。
 でも,ひとつの競技に没頭した人というのはべつに辰吉氏に限らず他にいくらでもいる。 そういう一流選手なら誰もが直面する折り返し点に,辰吉氏も到達してしまったということなのではなかろうか。
 新しい生きがいをみつけなくてはならない時期が来たんではないかと思う。 たとえば息子の寿希也氏の育成に専念するとか。 チャベス氏みたいに。
 自分が見出した宝物を後続に伝えるというのは,宝物を掘り出すこと以上にやりがいのある作業だと思う。

 

 他の時事ニュース  

ムラ国家・日本

 この国では,偉くなると,ひとつの型にはまった考え,あるいはみんなで申し合わせたような意見しか表明できないものらしい。 田母神氏の論文云々などよりも,そっちの方がよっぽど奇形だと思う。
  歴史に関して正しい認識,正しくない認識,などと決めつけることすら,アメリカとかが掲げる 『正義』 と同様に笑止千万極まり無く感じる。 まして,異 論を唱える人に対して誰も正面から面と向かって議論しようともせず,ひきつったような顔をして変なふうに周囲から圧迫して封じ込めてしまう点など,民主国 家としてあるまじきことだと思う。

 敗戦まで天皇という超越した存在を掲げていたのを,戦後の日本は単に 『戦争責任』 という言葉にすり替えただけなんじゃなかろう か,と思ってしまう。 そして,それをGHQの所為にしたがる人が多いけど,私はそれは違うと思う。 日本人が自分でそうしてるんだと思う。 何かよくわ からないあやふやな存在ないし言葉を絶対的なものに掲げ,そのことについて議論することすらタブーみたいなものにしたがるという性質は,日本人の特質なん じゃないだろうかと思ったりする。 そして,そういう社会の性格は,山岳信仰や巨石信仰をしていた時代と本質的にあまり違わないんじゃなかという気がす る。

 <航空幕僚長>民主、攻勢強める 給油延長法案成立不透明に
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081101-00000074-mai-pol

 それにしても,いつから日本はこんなに中国や韓国の機嫌をとりたがるようになったんだろう。
 日本の政府は,外見的には中国や韓国の逆鱗 に触れまい,触れまいと,ビクビクしているふうに振舞いながらも,心の中では両国を明らかに見下しているようなところがある。 こういう表裏のある政府を 一個人に例えたとしたら,すごく嫌な奴だ。 外国人が日本を見たとき,日本国民よりも日本政府の方に当然目が向くだろう。 例えば中国人や韓国人が反日感 情を抱くのは,べつに反日教育をしているからというだけでなく,むしろ日本政府の腹黒さに対するごく自然な嫌悪感の方がずっと大きいのではないかと思う。

 他の時事ニュース群

我が国にそんな約束事があったとは知らなかった

 航空自衛隊だかの偉い人が,事前に申し合わせをせずに論文を発表したことが問題になっている。
 どうも,以前に村山総理だかが表明したことに反する内容の論文らしい。
 朝鮮や中国大陸への侵攻を正当化したものだとか。

 論文の内容がどうあれ,私は日本という国において人間が論理的に正しいと思ったことを独自に発表したりすることが公的に禁じられているとは,知らなかった。 侵略国家云々に関しての議論はここではするつもりはないが,太平洋戦争や日中事変で日本の方が悪だった,ということが我が国の政治的原則であり,対外政策や国防における前提規約みたいにいつの間にかなっていたことも,恥かしながら私は知らなかった。

 私は,どちらが正論か,ということが言いたいのではない。 日本の中枢がそんな暗黙の了解みたいなあやふやなものを絶対的な真実であるかのように掲げており,その点に疑問をもつ人が現れても誰も論破すらできないのか,あるいはあえて議論しようとしないのか,まるで臭いものにフタでもするように封じ込めてしまう。 まして国家の要職に就く人は,それに関して議論することすら禁じられている。 これは民主国家としてあるまじきことだと思う。

 日本という国は,結局本当の意味での民主国家にはなれなかったんじゃなかろうか。 
 戦後の日本というのは,敗戦まで絶対的だった天皇という存在を,単に 『深い反省』 だとかいう言葉にすり替えただけなんじゃなかろうか,と思ってしまう。

 時事

 航空幕僚長を更迭…論文で「わが国が侵略国家は濡れ衣」
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081031-00000049-yom-pol

マケイン氏の失言

 問題発言や失言は日本の政治家に多いが,マケイン氏の発言にも大いにツッコミどころがある。

 

 


老婦人 「オバマは信じられないわ。 だって・・・ 彼はアラブ系だというし・・・」

マケイン氏 「いやいや,それは違います。 彼は家族を愛する,ちゃんとした市民です。 彼と私とはたまたま根本的なところで意見を異にしているというだけですから,それは違います」

 この映像はマケイン氏を支持する人たちの知的水準を如実にあらわしている。 オバマ氏がイスラム系だとかいうデマを真に受けて信じている人たちが実在するのだ。

 また,マケイン氏の発言をよく聞くと,彼自身もアラブ系の人々に対してネガティブな偏見を抱いていることが容易に読み取れる。
 彼が言った言葉をそのまま解釈すれば, 『アラブ系の人は家族をないがしろにする人であり,ちゃんとした市民ではない』 というふうに受け取れるからだ。 これは問題発言だ。
 まあ,これは意地悪な解釈であって,実際のところは,あまりに低レベルな発言に直面してマケイン氏も動揺してしまった,と考える方が正しいと思う。 だけど,ほんのわずかでも人種的偏見のにおいがする発言をすると,それはしこりになって残るものだ。

 私の周囲には共和党を支持する人が全くいないせいか,マケイン氏がオバマ氏と接戦しているという感じがちっともしなかった。 だけど,ついこないだ坊にせがまれて “Chuck E. Cheese” というゲームセンターとファストフードが合併したようなレストランに行って,その客層を見て,初めて実感した。 なるほど前回ブッシュ氏を当選させたのは,こういう人たちがいるからなんだな,と思った。

 

 海外ニュース


 

あからさまに不当な公務執行と偏向報道

 渋谷から,麻生首相の自宅を見学に行こうとした人たちが,なんの前触れもなく突然逮捕され,警察に連行されるという事件があったらしい。

 

 すごい生き方 ブログ

 不当に逮捕された三人を援護するブログ

 逮捕の瞬間の映像を観てみると,実に面白い。

 いろいろ閲覧してみるに,このツアーの企画者は事前に警察と打ち合わせまでしているようだ。 それなのに警察は突然に完全武装集団としてやって来た。 そして,最初に暴力をふるったのは,どうみても警察の方だ。 で,一方的に, 「公妨だぞ,公妨」 などと叫んでいる。
 現場には各局の報道員もいたらしいが,あちこちの記事を見ると警察発表を鵜呑みにした簡潔な記事ばかりだ。 何かがおかしい事件だ。

 警察の発表やマスコミ報道が変だな,偏ってるな,と感じることは時々あるけれど,これほどあからさまにデッチアゲや偏向報道が表沙汰になってしまうというのは珍しいんじゃなかろうか。 

 情報化社会というのは恐ろしい。 ウソをあばいたりデッチアゲを糾弾したりして真実を人々に知らしめるのは良い事なのかもしれないけれど,その反 面,人々は社会というものに不信感を抱くようになってしまうのではなかろうか。 “事実” や “真実” と名のつくいろんな情報が撒き散らされることに よって,ずっと一つにまとまっていた人間の社会がかえってバラバラになってしまうのではないか,と懸念する。

 時事


 <麻生首相>「マンガ、アニメは世界を席巻」とサブカル絶賛 「秋葉原演説はお礼」 初の街頭演説
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081026-00000010-maiall-pol

野村監督の生き方

 ずっと前の日本のオールスター戦で,打者松井のところで,イチローがピッチャーとして登板という場面があった。
 あのときのパの仰木監督の采配には賛否両論だろうけど,あれほどファンの心を躍らせた采配はないし,単純に松井とイチローの投打対決というのを観たいと思った。 どっちが勝っても拍手喝采の名場面だと思った。

 ところが,セの野村監督は,なんと松井を高津に代えてしまった。
 ファンの期待よりも,選手のプライドの方を大事にしたわけだ。

 いくら遊びとはいえ,松井選手には大きなプレッシャーがかかっただろう。 それが野村采配によって救済された。 よく野村監督は, 『今の選手は甘ったれだ』 などと放言したりするけれど,選手を甘やかしているのは野村監督自身じゃないか,と私は思った。 松井選手の強打者としてのプライドは,松井選手自身が “プロとして” 克服すべき問題であって,周囲が守ってやるもんじゃないだろう。 

 ファンにしてみれば,選手や監督のプライドなどはどうでもよく,単純に興味あるものが観たい。 まして,イチローがいて松坂がいてダルビッシュがいて,まさに日本野球史上最強チームにならんとしている来年のWBCにおいては,やはり名実ともに実力ナンバー1の監督に就任して欲しかった。
  当初は野村氏は自分が監督をやりたそうにしてたように思えたし,当然そうなのだろうと思っていた。 だけど出来レースだの,なんだの,と陰口を叩いた挙句 に,結局自分からは一歩も足を踏み出された形跡は無かった。 野村氏が 「何が何でもオレがやりたい」 と言ったら,周囲はそれに反対できるか? いや, できない。 自分から 「オレがやりたい」 などとは言えないタイプなんだろう。 ちょっと,ふがいなさを感じてしまった。 野村氏は 『自分よりも適任 者がいる』 などと本気で思っていたのだろうか。 まさか。

 今回もイチロー選手なら必ず出てくれる,と思っていた。 そしたらやっぱり実に心強いコメントとともに出場の意思表明をされた。 さすがイチロー,我等が英雄。
 原辰徳氏も是非このチャンスをものにして,球界史に残る名監督になってもらいたい。

 ランキング

 <WBC>イチローの出場意思、電話で確認…王特別顧問
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081029-00000098-mai-base
 

柔道の石井は強いのか

 北京五輪柔道の金メダリストの石井慧選手が,総合格闘技に参入するようだ。
 さて,彼はどれだけ強いのだろうか。

 輝かしい実績と,それを裏付ける練習量からして,この石井選手はかなり強いのだろうということは容易に想像がつく。 ただ,彼のきょろきょろとした目の動きや,目上の者に対する服従心の強さからして,実は意外と小心者なのではないかという気がしてしまう。
  世間を賑わした様々な発言は面白いが,それは裏を返せば彼の内面がまだまだコドモであるということだ。 文字通り豪傑なのだから,いくらでも豪傑ぶって結 構なのだけど,見かけ程には図太いタイプでもなく,中身の詰まったタイプでもなさそうである。 その点ちょっと小川直也氏に似たところがある。 だけど石 井選手には小川氏には無かったのびのびとした明るさがあるし,人をひきつける魅力がある。 これからも注目される存在であり続けることは間違いない。

 意地悪なことを言えば,本当の強さを追い求めたいというより,スターになりたいがために総合へ転向したようにも思えなくもない。 強ければ,べつ に動機なんてどうでもいいのだが,できれば途中でプロレスなんぞに転向したりせずに本当の強さを追い求めて上を目指してほしい。

 これまでは育てられて大きくなった選手だが,これからは自分で育たなくてはならない。
 とりあえず,精神面でどれだけ成長できるかが,当面の課題じゃなかろうか。
 ぜひ応援したい。

 ランキング


 石井決断!Dynamite!!でリングデビュー
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081029-00000030-spn-spo

 

四番・原

 

「でたっ, 四番・原の,まったくどーでもいい一発!」

 と言うのが,夏の夜にビール片手で観戦する巨人戦ナイター中継の醍醐味だった。

 原辰徳選手は長いこと巨人の不動の四番だったけど,チャンスでは全然打ってくれず,大勝ち試合か大負け試合に決まってソロホームランを打つ,というスラッガーだったように記憶している。

 そういえば,すごいチャンスで大ファールを打って,両手を挙げてたシーンもあった。
 そんな原辰徳氏が,WBCの監督になるという。
 ぜひとも応援したい。

 

 時事ニュースランキング

 WBC原監督確実、巨人オーナー前向き
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081027-00000014-nks_fl-base


 
 
 

The Fall (2006)   ― 落下の王国 ―

 久しぶりにいい映画を観た気がした。
 病院に入院している人生に絶望したスタントマンの男と,5歳の東欧系移民の女の子の間での奇妙な愛情物語。

 男が話してくれる物語を聞きながら,女の子の頭の中で繰り広げられる空想物語と,現実世界とが行ったり来たりする。 物語にはいろんな意味が込め られていて,難解なようで単純であり,単純なようで難解だった。 空想物語の映像はあちこちの世界遺産でロケ撮影したらしいのだけど, 近年稀にみる映像 美の素晴らしさがあった。 単純に映像美を見ているだけでも飽きない。 こういう映画は何度でも観たくなる。

 物語に出てくる仲間達は皆個性豊かな外国人であり, 一方,黒ずくめの悪者達は 『怒った人たち (Angry People)』 と呼んで対比させていた。 そして女の子の家を焼いた人達のことも,彼女は 『怒った人たち』 と呼んでいた。 アメリカで移民労働者 に対する差別や迫害のあった時代背景であり,そこらへんをよく理解していないとこの映画はただのおとぎ話にすぎなくなってしまう。 Americana exotica という学名の蝶々が,この映画のテーマと,アメリカという移民国家を暗示するかのように象徴的に使われていた。 

 女の子役のカティンカ・アンタルー (Catinca Untaru) の演技が,とにかくすばらしい。 演技じゃない部分も多分にあるんじゃなかろうかと思ってしまう程に,いじらしく,可愛らしい。 彼女の愛くるしい顔をもう一度観たいがために,ついまた最初から観てしまう,そんな映画だった。  

 The Fall

 

浪速のタイソンから浪速のデュランへ

 20年くらい前に辰吉丈一郎選手の試合を初めてみたときは,衝撃的だった。
 バッタバッタと相手をなぎ倒してゆく日本人選手が現れた,と 思い,興奮した。 当時日本チャンプだった岡部選手を倒した試合は凄かった。 ヘッドスリップしてからの長い左フックがチャンプの顔面をとらえたときは, テレビの前で立ち上がってしまった。 とにかくすごい選手が現れた,と思った。

 浪速のタイソンという雷名は,新聞のスポーツ欄の一角で知った。 中学時代は札付きの不良で,しかもケンカでは負けたことがなく,手を焼いた担任の教師がたまりかねて帝拳ジムへ連れていったという。 それだけで既に伝説的だった。
 当時,不良だとかツッパリといった風俗の終焉期だっただけに,辰吉という存在は同年代の元不良少年達にとって不世出のヒーローであったように思う。 ダウンしている相手に向かって 『起てや,コラ』 とでも言っているのか,グラブでもっておいでおいでのしぐさをするのが,たまらないくらい魅力的だった。

 辰吉氏をみていると, 『ボクシングが好きで好きでたまらない』 という様子が伝わってくる。 リングに立ちたい,生涯現役でいた い,試合をすることに意義がある,という気分が伝わってくる。 今回もそういう気持ちがタイでの試合にこぎつけたのだろう。 重量級ならともかく辰吉氏の ような軽量級選手がで38歳で復活というのは驚異的だ。  相手は決して強い選手ではないが,そんなことはべつに全然かまわない。 辰吉丈一郎は何よりも 自分の為に,ボクシングがやりたくてボクシングをしているのだろう。  観客やカネやベルトの為にボクシングをしているのではない・・・ と言えば,怒ら れるだろうが。

 石の拳と呼ばれたロベルト・デュランは50歳を超えるまで現役であり続けたという。 辰吉氏もデュランのように生涯現役でありたいと思っているの だろう。 誰の体でもない,辰吉氏自身の体なのだ。 失明しようがパンチドランカーになろうが,できるところまでボクシングをやり続ければいい思う。 そ れは至極幸せなことだ。

 

 時事ニュースランキング

 辰吉、復帰戦でTKO勝ち=5年ぶりバンコクで-ボクシング
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081026-00000072-jij-spo




 

アンダーグラウンド (村上春樹)

 地下鉄サリン事件の被害者一人一人にに村上春樹が直接インタビューして集めた体験談集。 『地下鉄サリン事件』 というひとつのテロ事件が日本人にとって一体どういうものであったか理解する上で,この本に勝るものはおそらく無いのではなかろうか。 

 マスコミによる地下鉄サリン事件の報道では,オウム側の犯罪手順や思想等について詳細な分析がなされたのに対し,最も苦しんだはずの被害者達は単に  『かわいそうな人々』 というカテゴリにひとくくりにされただけだった。 筆者は直接被害にあった人達の一人一人にじかに会って,彼らの生い立ちや仕事, 生活背景などについて細々と話を聴くことにより,地下鉄サリン事件というものが一人一人の被害者の人生において一体どういう衝撃であり,どういう爪痕を残 したのかを理解したかったという。

 何か物事を理解しようとするとき, 『木より森を見よ』 という言葉があるが,筆者は木の一本一本をつぶさに眺めることに徹していた。 また,本の中で筆者は  『自分が現在前にしているインタビュイーの一人ひとりを,個人的に感情的に好きになろうとつとめた』 と語っていた。 人それぞれが異なった生活背景や 人生経験,性格をもっているものだし,それぞれが人間社会のドラマの中で重要な役割を演じているものなのである。 人間の社会だけでなく歴史,文化や国家を見つめる場合も,そのことを忘れてはならないと感じた。

 アンダーグラウンド (講談社文庫)

搭乗拒否リスト

 私と同姓同名の人がこの搭乗拒否リストに載っていたらしい。
 5年ぐらい前,アメリカで国内便に乗ったとき,帰りの飛行機のチェックインで突然足止めをくらった。 なにやら照会するからといってカウンターで30分以上も待たされた。

 それ以降,飛行機にチェックインするときは,自動発券機を利用することができず,いつも係員のいるカウンターまで行って個人情報を照会してもらわ なくてはならなくなった。 照会といっても免許証などに記載されてる名前と生年月日を調べるだけなのだけど,係員が電話を通して行うために時としてすごい 時間がかかる。 電話の向こうの係員が昼食に出かけたり,トイレに行ってたりするからだ。 時間が差し迫っていたり,空港が混雑しているときなど,実にハ ラハラしたものだった。 自動発券機でスイスイとチェックインを済ませる他の乗客たちを横目にみながら, 『シアワセなんて望まぬが,ヒトナミでいたい』 という,子供の頃に聞いた “昭和枯れススキ” という歌の詞を思いだした。 一度,ランダムに行われる厳重チェックにも引っかかったことがあり,飛行機に間に合わなかったこともあった。
 だからいつも飛行機に乗るときは,なるべく早い時間に行くことにしている。

 そしたら,去年からか,私も自動発券機を使ってチェックインできるようになった。
 たぶん私と同姓同名の人がリストから外されたのだろう。
 やっと人並みになれたような気がして嬉しかった。

 

 時事ニュースランキング
 海外ニュースランキング

 「搭乗拒否リスト」に2500人 米テロ監視対象者の人数公表
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081023-00000001-cnn-int

セロテープからX線

 セロテープをひっぺがす瞬間に,なんとX線が発生するんだそうだ。 まったく驚きだ。
 ただし,真空中でないとダメらしい。
 今週のネイチャーの表紙にもなっている。

 Nature

 人工ヤモリの足といい,このセロテープの話といい,こういう話は大好きだ。 意外なところにまだまだ人間の知らない自然の秘密があるものだ。

 まだ読んでないので詳しくはわからないけれど,粘着テープが実際に剥がれている部分というのは細い一本の線状になっているわけで,そのとき引っ張る力の全てがその線に集約されるからじゃなかろうか。 テープが剥がれている線の部分で粘着剤がほんの一瞬伸びてまた縮むときに発生するエネルギーというものは膨大なものになるらしく,おそらくその一部がX線として放射されるのだろう。

 この方法を利用すれば,特に高電圧など発生させなくとも廉価にX線を発生させることができる。
 いろんなことに応用できそうだ。

 真空中でないとX線は出ないらしいので,普段ふつうにセロテープを使っていてもX線にさらされる心配はないらしい。

 

 時事ニュースランキング
 海外ニュースランキング